2017年03月29日

石鹸もアートグッズ

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ヨーロッパが好きでよく旅に出ます。絵はフランスブルターニュのヴァンヌの町の一角を描いたものです。
旅で帰りの荷物がぱんぱんにふくらむのは世の常です。
私の場合、画集や現地で仕入れた資料でふくらむのですが、じつは各地で買い求めた固形石鹸=シャボンもかなりの比重を占めています。
ヨーロッパの石鹸はパッケージがとにかく美しい。そして香りがそれぞれオリジナリティがあり帰国後も箪笥の中で旅の記憶をふりまいてくれています。

きがつくと、毎回欠かさず求めてくるものが固形石鹸で、ギャラリーを構えて二年目のある日、ふと思いました。
「そういえば、お気に入りの石鹸、仙台で探すの大変だ。ならば自分たちで仕入れちゃおう」

というわけで、ヨーロッパの石鹸をギャラリーの片隅で取り扱いはじめたのが、今年のあたまです。気がつく人は気がついてくれる程度の静かな扱いですが、こだわる方にはとても喜ばれて、なんだかうれしい昨今です。

こころの深い部分にやさしいものでお役に立ちたい。
水彩画もそういう意味でお求めいただけるわけですが、石鹸も根っこは一緒だな、と感じます。
両方ともおなかがいっぱいになるわけじゃないし、ビジネスが加速するわけでもない。
でも、「目に見えない心をじんわりと満たしてくれるもの」。

石鹸もアートグッズ。
アルティオではそう考えています。
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posted by タク at 11:29| 宮城 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 水彩画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月27日

悪夢

F1333AD6-3A97-48C3-BA3E-C2A63E3545D4.jpgひどい悪夢にうなされた。
多分、宇都宮での法廷画仕事で、判決の要旨が耳に入って来たからだと思う。
内容は文章にするにはばかるほどひどいものだった。ホラー作家なら表現力で読ませるところだろうが、あいにくそんな才はない。なので書くのはやめておく。
悪夢ゆえ目覚めも悪く、気がつくとどこかで尾を引いていた。まあ、そんな日もある。

同じ日、映画「サウルの息子」を観た。これがまたきつかった。第二次世界大戦でのユダヤ人のホロコーストの内側を描いた作品だ。今まで見たことがない演出、カメラ、そしてラスト…もちろん素晴らしい映画だった。しかし、同時に忘れかけていた悪夢を思い出してしまった。

かつて、ポーランドのクラクフ近郊のオシフェンチム収容所跡(ドイツ語ではアウシュビッツ)に旅したことがある。世界がまだ東西に分かれていた頃だ。
ウイーンからの列車を乗り継ぎ、起点となる古都クラクフへ。たどり着くまでが四苦八苦だったこともあって、実際に収容所を見たところまでの記憶は不思議にグレートーンだ。季節は木々が新緑を抱いていた時期だ。森の緑の美しさや、広がる空も心地よかったはずだ。
しかしその色合いがオシフェンチムまでの記憶には、ない。

心地よさや色合いは、それらが発しているものではないということだ。
立ち並ぶ木々や青い空間に浮かぶちぎれ雲だったり、それらはただそこに「在るだけ」だ。
美しさや心地よさは、人間が心で意味を付けることだ。心理状態によっては何物もただのグレーの存在でしかない。

表現の仕事は、人のこころに「色合い」を差し入れる仕事だ。しかし、どんな色合いも決して無からは生まれない。グレーな体験こそが色合いを生み出す元になったりもする。そういった意味では、悪夢も捨てたもんじゃない。
花屋の店先に並ぶたくさんの花よりも、ゴツゴツと荒れた岩場に咲く一輪の花の方が、数倍美しかったりするのだ。

そろそろ岩場に花を探しに行きなさい。そして、足元にその体験を繋げなさい。
薄れつつある悪夢が伝えたかったメッセージのような気がしている。

絵は、旅することの意味を込めた一枚。「現れた目的地」です。

















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2017年03月24日

宇都宮で法廷画の日

本の表紙、絵本の絵、ポスターのイラスト、パンフのカットまで、いろいろな描く仕事があるけれど、毎回胃がきゅーっとなるのが、法廷画です。

今日は宇都宮地裁で法廷画を描いていました。依頼元は、読売新聞宇都宮支局さん。

昨年の今市事件に続いて2回目の宇都宮入り。今回は糖尿病男児殺害事件。今日は判決。

開廷中は法廷内で鉛筆ドローイングを仕上げ、閉廷後すぐに支局に戻り水彩絵の具で着彩。無事おさめることができました。

いろいろな事件の裁判に立ち会って来たけれど、今回の事件は被告のマイナスエネルギーが特に強かった。こちらも仕事なので、被告を見い見い描くわけだけど、その度にマイナスエネルギーを受けてしまう。
いつも以上に胃がきゅーっとなった法廷でした。

花や風景は、キレイなエネルギーを受けて描くからきゅーっとなんてならないですよね。
法廷画という仕事は、絵描きの修行のひとつでもあるなあ、と強く思った今日でした。

掲載予定は読売新聞栃木県版のみ。仙台の私はリアルタイムに見れないのが残念です。

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2017年03月23日

手本を描く

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カルチャー水彩教室で時々やることに、デモがある。生徒さんにぐるっと囲まれて描くお手本制作だ。
それとは別に、アトリエのマンツーマンレッスンで、「これを先生ならどう描かれますか?」と請われ、ざざっと手本を描くことがある。これは前者のデモとは全く異なる。

前者は技術を教えるため、頭の中で「ここではこの技法を伝えよう」と考えながら描いている。なので、ある意味システマティックだ。

後者の場合、だいたいレッスンが終わる間際にたのまれる。時間とすれば5分〜10分程度というところ。この場合、技術は教えない。
ほとんど勢い。そして、喋らない。だからだろうか、終わると気がカラッポになるのを実感する。

この絵は先日、アルティオでのマンツーマンレッスンのラスト数分で描いたもの。生徒さんが持って来た描きたいという風景写真がモチーフだった。

この場合、紙は水彩紙を使わない。使うのは格安定番「黄色と黒のスケッチブック」。当然透明水彩絵の具は、それ専用の水彩紙のようにはのってくれない。時間もない。そこが面白い。描き終わるころには快感すら覚える。本制作もこれくらい迷わず描ければいいのにな、とさえ思う。

短い時間と性能の限られた紙。それでもそれが自分にくれるものは、とても大きいと思うのです。













posted by タク at 23:58| 宮城 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 水彩画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月22日

JR東日本『駅長オススメの小さな旅』直近報告

今日、一緒に仕事をしているプランナーさんから、写メが送られてきました。
文面には、「先日の日曜日の仙台駅のアドラックです。残り一冊!」

表紙の水彩イラストを手がけた、JR東日本・旅行企画パンフ『駅長オススメの小さな旅』春号ですが、まだ設置になったばかりです。
描いたモチーフは、喜多方駅のしだれ桜。

「パンフがハケているよ」
表紙を担当したイラストレーターにとって、これほど嬉しい報告はありません。

うれしいサクラサク入電♩でした。

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posted by タク at 23:31| 宮城 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | イラストレーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする