そのとき、娘がこんな会話をくれました。
娘「しかし、数あるなー。こんなに毎回個展にお客さん来てくれるんだ」
私「いや、まさか。ラベルはここ十年位に来てくれたお客さんのトータルだよ。毎回来てくれるお客さんもいるけど、みんなじゃない。一回だけってお客さんもいるしね。実質来てくれるのは送るハガキの数割、かな」
娘「それでも数割でも来てくれるんだから、めっちゃありがたいよね。そういえばさー、経済学部の友達がね、『機会費用』って考え方がある、って言ってた。知ってる?機会費用って?』
私「キカイヒヨウ?知らないなぁ。聞いたことない」
娘「えっとね、例えば個展を見に行こう、ってある人が思ったとするじゃない。そうすると会場に来て、絵を見ているあいだまで、目に見えない費用が計上されるんだって。」
私「費用?」
娘「そ。電車賃かけたりバス代払ったり、お茶飲んだり、見るまで、例えば千円とか二千円とか、途中でかかってるかもしれないでしょ?」
私「なるほど」
娘「そう考えれば、個展に来てもらうだけでも、お客さんは数千円かけてるわけ。そしてもし、例えば絵を見なけりゃ他の何かができたわけ。映画にいくとか、喫茶店でお茶するとか、もしかすると買い物で他の何か買っていたかもしれない。そんなことをやめて、費用かけて画廊にきてくれてる…って考えると、すごいことだよね、ありがたいよね。」
私「それ、いい考え方だねえ。確かにいつもほかのやることいっぱいあるはずなのに、わざわざ時間割いてきてくれてるんだよね。ありがたい以外にないよね。それに、開催するだけでも、なんか世の中の役に立ってるんじゃん^ - ^」
『機会費用』
もしかすると、娘も私も経済音痴でトンチンカン、経済学はサッパリわからんので、はき違えて理解している可能性ありです。が、それはさておき、いい話をもらったな、と思いました。