外国を旅していると、一つの街に数泊することがあります。
そんな時、居心地のいい店を見つけると、つい繰り返し足を運んだりします。
居心地って、言葉で言うのは簡単だけど、具体的に教えてって言われると、ハテ?となります。商品?並べ方?店主の雰囲気?
どうもどれも違うような気がします。
アトリエアルティオにいらっしゃるお客様からも、笑顔でよく「居心地がいいね」と言っていただけます。それはとてもうれしいことです。
店には私が描いた絵と、手がけた本や絵葉書、関連グッズしか置いていません。なので、商品ラインナップの少なさでは天下一かもしれません。
経営のケの字も知らず、商売のノウハウも全く無い絵描きと連れ合いがそんな小さな店をはじめて、間もなく2年目に入ります。これは奇跡に近い。よく持った。しかし未だに経営のケの字もわかりません。
が、もしかすると居心地がいい、と言ってもらえるのは、そんなところに要因があるのかもしれません。
昨日、夕方にいらしたお客様は、とある会社の企画営業の男性の方でした。偶然その場に、これまたはじめていらした別の女性お客様が、「これ、私が手作りしたケーキですが、よかったら食べてください」と。(流石に一見さんに手作りケーキをいただいたのは、初めてです)
なんでだか、結局皆で店内に置いてあるテーブルを囲んで、見ず知らずのお客様からいただいたケーキを美味しくいただきました。
「不思議に心地いい店ですね。営業にきたワタシ、ケーキいただいてるし」と彼。当然笑顔。
絵が売れるのはもちろんとてもうれしいですし、それで店が続けていけます。
でもそれ以前に、来た方が笑顔になってくれることでこちらも幸せな気持ちになれるのです。
数日前、NHK文化センターの透明水彩スケッチ講座で東西線国際センター駅の二階デッキで生徒さんたちにスケッチを教えていました。
その時も描く皆の「笑顔」がとてもうれしかった。
そうか、居心地とは、店なり場の空気に、そこにいた人の笑顔が記憶エネルギーで転写されていることなのかも。
そんな答えに落ち着いた日でした。
ギャラリーはここ数日、頂き物たくさんの日々でした。手作りジャム。新米のお米、クッキー、コーヒー豆、煎餅、手作りケーキ。その数だけの笑顔もいただいた。
アルティオはなんだか不思議な場所になってきました(笑)