2016年12月21日

道具を替える

20161221simofuro001.jpg

ここのところ、セヌリエ(Sennelier)というフランス製の透明水彩絵の具を使っている、と、以前書いた。
ホルベインもターナーも、ニュートン、レンブラント、シュミンケも使っているけれど、どれにも属さないセヌリエ独特の絵の具の性格が、今の自分に大きな何かをくれている。たぶん今まで自分に欠けていたなにかを補ってくれているのだろう。

十数年、水彩を習いにひとりで私の元へ通っているご年配の女性がいる。私の影響か、彼女もセヌリエを使いはじめた。
今日は彼女のレッスン日だった。
描いて来た絵を見て驚いた。ひと味もふた味も変わっていたのだ。
色合いが変わった、というより頭の中のクリエイティビリティのスイッチが解放された、そんなかんじだった。
「なんだか、この絵の具、使っていると楽しいんです」
と彼女は言った。

今まで、口を酸っぱく「創造力を使ってみて」と言っていたのだけれど、「無理です」とか、「わたしには創造なんてできませんよ」で終わっていた。どうやら新しい絵の具がそのスイッチを入れてくれたらしい。

もちろん絵の具はひとそれぞれに相性というものがある。愛着やこだわりは絶対に持っていたい。
けれど、道具を替えることで新しい世界が開けるということもある、と思う。

そういえば、先日の下北旅行で、偶然一軒のヒバ木工所に出くわした。縁あって社長さんと仲良くなり、ヒバのチップが漉き込まれた一枚の和紙をいただいた。和紙は四国の工房に頼んで漉いてもらったという。
「一枚あげるから自由な発想で描いてみてよ。こうでなきゃいけない、なんてないんだから。オレはそう思っていままで商売をやってきた」と社長は言葉をつないだ。

そうだよなあ。水彩で水彩紙に描いているけれど、道具も支持体も自由にありたいものだなあ、と、社長の言葉に妙に感じ入った。そのことを今日のレッスンで思い出していた。

想像力を全開にできる=楽しくなれる=ものはすべて素晴らしい画材なのだね、きっと。

ひば和紙150.jpg

トップ絵はセヌリエを使って描いた下風呂漁港。東北電力2017カレンダー用に描き下ろしたものです。
でこぼこした紙の写真はヒバの漉き込まれた和紙です。




posted by タク at 22:01| 宮城 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 水彩画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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