2017年03月30日

年度末のアルティオ

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年度末もあと2日というところで仙台市役所に納品に伺いました。
仙台市から仙台水彩風景ポストカードセットをまとめてご注文をいただいての年度末納品です。誠にありがたいことでした。

今年から12枚セットの仙台風景ポストカードセットを新商品として店頭販売しています。藤崎デパートから依頼されたカレンダーの絵柄をそのままポストカードに展開したもので、12ヶ月の仙台風景がえがかれています。仙台から離れた人への便りや季節の挨拶にお使いいただけます。ご希望のかたはアルティオまでのどうぞ。

今日は書籍表紙の色校正や、関わった役所関係のイラストマップの刷り上がりを納品いただきました。ともに印刷会社の方が来訪。ちょっとばたばたしていました。

アルティオに福島から2人のご婦人が来店。宮城県美術館で開催中のルノアール展を見にいらしたとのことですが、「こちらのギャラリーを偶然見つけれたことが、展覧会よりよかった」と、お世辞でも嬉しいお話をもらいました。
こんな一言で元気になれます。

夕方にはポルトガルのエヴォラを描いたちび絵やアルファベットちび絵が嫁いだり…やっぱり年度末と関係あるのかな?
「忙しい1日だったね」と、店主の妻。でも笑顔。
自営業者はいたって単純なのです^ - ^




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2017年03月29日

石鹸もアートグッズ

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ヨーロッパが好きでよく旅に出ます。絵はフランスブルターニュのヴァンヌの町の一角を描いたものです。
旅で帰りの荷物がぱんぱんにふくらむのは世の常です。
私の場合、画集や現地で仕入れた資料でふくらむのですが、じつは各地で買い求めた固形石鹸=シャボンもかなりの比重を占めています。
ヨーロッパの石鹸はパッケージがとにかく美しい。そして香りがそれぞれオリジナリティがあり帰国後も箪笥の中で旅の記憶をふりまいてくれています。

きがつくと、毎回欠かさず求めてくるものが固形石鹸で、ギャラリーを構えて二年目のある日、ふと思いました。
「そういえば、お気に入りの石鹸、仙台で探すの大変だ。ならば自分たちで仕入れちゃおう」

というわけで、ヨーロッパの石鹸をギャラリーの片隅で取り扱いはじめたのが、今年のあたまです。気がつく人は気がついてくれる程度の静かな扱いですが、こだわる方にはとても喜ばれて、なんだかうれしい昨今です。

こころの深い部分にやさしいものでお役に立ちたい。
水彩画もそういう意味でお求めいただけるわけですが、石鹸も根っこは一緒だな、と感じます。
両方ともおなかがいっぱいになるわけじゃないし、ビジネスが加速するわけでもない。
でも、「目に見えない心をじんわりと満たしてくれるもの」。

石鹸もアートグッズ。
アルティオではそう考えています。
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2017年03月27日

悪夢

F1333AD6-3A97-48C3-BA3E-C2A63E3545D4.jpgひどい悪夢にうなされた。
多分、宇都宮での法廷画仕事で、判決の要旨が耳に入って来たからだと思う。
内容は文章にするにはばかるほどひどいものだった。ホラー作家なら表現力で読ませるところだろうが、あいにくそんな才はない。なので書くのはやめておく。
悪夢ゆえ目覚めも悪く、気がつくとどこかで尾を引いていた。まあ、そんな日もある。

同じ日、映画「サウルの息子」を観た。これがまたきつかった。第二次世界大戦でのユダヤ人のホロコーストの内側を描いた作品だ。今まで見たことがない演出、カメラ、そしてラスト…もちろん素晴らしい映画だった。しかし、同時に忘れかけていた悪夢を思い出してしまった。

かつて、ポーランドのクラクフ近郊のオシフェンチム収容所跡(ドイツ語ではアウシュビッツ)に旅したことがある。世界がまだ東西に分かれていた頃だ。
ウイーンからの列車を乗り継ぎ、起点となる古都クラクフへ。たどり着くまでが四苦八苦だったこともあって、実際に収容所を見たところまでの記憶は不思議にグレートーンだ。季節は木々が新緑を抱いていた時期だ。森の緑の美しさや、広がる空も心地よかったはずだ。
しかしその色合いがオシフェンチムまでの記憶には、ない。

心地よさや色合いは、それらが発しているものではないということだ。
立ち並ぶ木々や青い空間に浮かぶちぎれ雲だったり、それらはただそこに「在るだけ」だ。
美しさや心地よさは、人間が心で意味を付けることだ。心理状態によっては何物もただのグレーの存在でしかない。

表現の仕事は、人のこころに「色合い」を差し入れる仕事だ。しかし、どんな色合いも決して無からは生まれない。グレーな体験こそが色合いを生み出す元になったりもする。そういった意味では、悪夢も捨てたもんじゃない。
花屋の店先に並ぶたくさんの花よりも、ゴツゴツと荒れた岩場に咲く一輪の花の方が、数倍美しかったりするのだ。

そろそろ岩場に花を探しに行きなさい。そして、足元にその体験を繋げなさい。
薄れつつある悪夢が伝えたかったメッセージのような気がしている。

絵は、旅することの意味を込めた一枚。「現れた目的地」です。

















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2017年03月24日

宇都宮で法廷画の日

本の表紙、絵本の絵、ポスターのイラスト、パンフのカットまで、いろいろな描く仕事があるけれど、毎回胃がきゅーっとなるのが、法廷画です。

今日は宇都宮地裁で法廷画を描いていました。依頼元は、読売新聞宇都宮支局さん。

昨年の今市事件に続いて2回目の宇都宮入り。今回は糖尿病男児殺害事件。今日は判決。

開廷中は法廷内で鉛筆ドローイングを仕上げ、閉廷後すぐに支局に戻り水彩絵の具で着彩。無事おさめることができました。

いろいろな事件の裁判に立ち会って来たけれど、今回の事件は被告のマイナスエネルギーが特に強かった。こちらも仕事なので、被告を見い見い描くわけだけど、その度にマイナスエネルギーを受けてしまう。
いつも以上に胃がきゅーっとなった法廷でした。

花や風景は、キレイなエネルギーを受けて描くからきゅーっとなんてならないですよね。
法廷画という仕事は、絵描きの修行のひとつでもあるなあ、と強く思った今日でした。

掲載予定は読売新聞栃木県版のみ。仙台の私はリアルタイムに見れないのが残念です。

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2017年03月23日

手本を描く

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カルチャー水彩教室で時々やることに、デモがある。生徒さんにぐるっと囲まれて描くお手本制作だ。
それとは別に、アトリエのマンツーマンレッスンで、「これを先生ならどう描かれますか?」と請われ、ざざっと手本を描くことがある。これは前者のデモとは全く異なる。

前者は技術を教えるため、頭の中で「ここではこの技法を伝えよう」と考えながら描いている。なので、ある意味システマティックだ。

後者の場合、だいたいレッスンが終わる間際にたのまれる。時間とすれば5分〜10分程度というところ。この場合、技術は教えない。
ほとんど勢い。そして、喋らない。だからだろうか、終わると気がカラッポになるのを実感する。

この絵は先日、アルティオでのマンツーマンレッスンのラスト数分で描いたもの。生徒さんが持って来た描きたいという風景写真がモチーフだった。

この場合、紙は水彩紙を使わない。使うのは格安定番「黄色と黒のスケッチブック」。当然透明水彩絵の具は、それ専用の水彩紙のようにはのってくれない。時間もない。そこが面白い。描き終わるころには快感すら覚える。本制作もこれくらい迷わず描ければいいのにな、とさえ思う。

短い時間と性能の限られた紙。それでもそれが自分にくれるものは、とても大きいと思うのです。













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2017年03月22日

JR東日本『駅長オススメの小さな旅』直近報告

今日、一緒に仕事をしているプランナーさんから、写メが送られてきました。
文面には、「先日の日曜日の仙台駅のアドラックです。残り一冊!」

表紙の水彩イラストを手がけた、JR東日本・旅行企画パンフ『駅長オススメの小さな旅』春号ですが、まだ設置になったばかりです。
描いたモチーフは、喜多方駅のしだれ桜。

「パンフがハケているよ」
表紙を担当したイラストレーターにとって、これほど嬉しい報告はありません。

うれしいサクラサク入電♩でした。

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2017年03月21日

【仙台リビングカルチャー】透明水彩ワークショップのお知らせ

【仙台リビングカルチャー】透明水彩ワークショップ 〜にじみで描く風景画〜のご案内です。

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三ヶ月に一回の一日講座が3/31(金)13:30〜16:30に開催します。

お申し込みはリビングカルチャーホームページから。
私の制作過程を実際に見ていただけますので、ご参加をおまちしています。


以下、開講案内より転載します。

+  +  +

 イラストレーター・古山拓さんの水彩ワークショップ。今回のテーマは「桜」。教室では、背景を描くことにより、モチーフを効果的に浮き立たせる画法を、講師の制作ライブを見て学び、写真を元に描いていきます。自分が思い描く春の時期や空気の色を加え、ステキな1枚を仕上げて。

●日 時 3/31(金)13:30〜16:30。1日教室
●会 場 リビング仙台教室
●料 金 4560円(別途教材費300円前後を当日集金)
●持ち物 透明水彩絵の具12色以上、水彩スケッチブック4号、水彩筆(細・中・太)、鉛筆B、筆洗、A4クロッキーブック、雑巾、ティッシュ、ねり消しゴム、カッター、木製パネル(F4・水張用)、水張テープ、絵刷毛(幅2〜5センチ)または筆(10号程度) ※絵の具、絵筆の貸出有(絵刷毛は除く)
●講師 古山拓さん 絵画工房ランズエンド主宰

申し込みページ

https://les.living.jp/app/user/SPUSA010.php?com=005&med=oth&eid=EN00022914
※申し込み送信後、2〜3分以内に自動返信メールが届かない場合は下記までご連絡をお願いいたします。

仙台リビング新聞社 tel 022(265)4305

応募締切  2017年3月29日(水) 23:59

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2017年03月19日

幕末イラスト

日曜日ですね。

今回は、担当している時代劇のイラストレーションから発表済みの作品です。
毎日休みなしでの連載も230余回となりましたが、まだまだ続きます。
毎日描かなければならないので、飲みに出る回数も、自ずと減りました。
健康にもいい連載です。

日曜の午後、ゆっくりオフをとるため、午前中で連載の仕事を終わらせました。
振り返ってここひと月ぐらいの掲載からセレクトしてご紹介します。

使用画材は、マーメイド紙に鉛筆3B + PainterX
納品はデジタルデータで納めています。

岩手日報連載小説「柳は萌ゆる」(平谷美樹・作)挿絵から。

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2017年03月18日

イラスト作品紹介・JR東日本「駅長オススメの小さな旅」春号

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表紙イラストを手がけたパンフが駅に並びはじめました。
JR東日本「駅長オススメの小さな旅」春号です。

昨年から担当させていただいている水彩イラストの仕事ですが、おかげさまで駅設置のラックからお持ちいただいているとの報告をいただきました。表紙作者としても大変嬉しく思います。

南東北エリアのJR各駅からのオススメ小さな旅コースを網羅している商品で、見ているだけでも旅心をくすぐられます。

明日の日曜日、山形方面にでも小さな旅に出かけてみようかな。

「駅長オススメの小さな旅」のJR東日本サイトはこちらです。
ご参考まで。

posted by タク at 10:23| 宮城 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 水彩画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月16日

「セヌリエ水彩ハニータイム」続きます

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昨年中盤から青葉カルチャーで受け持った水彩講座、「セヌリエ水彩ハニータイム」の6回コースが無事終了しました。
月一回、それも夜ということもあって、少人数でした。
フランスのセヌリエの水彩絵の具の独特な発色を楽しむ、というコア?な企画だったのですが、参加した皆さんには楽しんでいただけた模様。おかげさまで続投の声をいただき、6月からまた6回でスタートすることになりました。

普通の水彩講座とは違って、飾り系は描くは、クリスマスカードは描くは、旅のアファメーションイラストは描くは、と、こちらもいつもの講座とは違ったカリキュラムで臨みましたが、結果、「楽しかった!」という声にほっとしています。

今日はデモンストレーションはなしで、みなさんにじっくり行きたい国の絵をオリジナル飾り系で囲み、描いてもらいました。「イースター島に行きたいんです」「スイスが好きです」「バスクを描きます」と、それぞれオリジナリティがあって、教えるこちらも楽しかった。

次のワンクール、詳しいことが決まったらまたブログでお知らせします。




posted by タク at 21:52| 宮城 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 水彩画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月15日

描く役割

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今まで,仕事で水彩風景画や広告イラストレーションの他に、出版のジャンルでも数冊の絵本や挿絵、カットを手がけてきました。

自費出版絵本「あしたのまちはどんなまち?」(絶版)では、海外子連れバックパッカー旅がくれた出会いの機微。

福音館書店「しゅるしゅるぱん」(おおぎやなぎちか・作/表紙挿絵担当)では、綿々とたえることなく繋がっていく命の尊さ。

PHP研究所「あなたの一日が世界を変える」(くすのきしげのり・作/絵担当)では、一日一日をきちんと生きることがより良い世界を作って行くということ。

PHP研究所「どこまでも生き抜いて 夜回り先生50のヒント」(水谷修・作/カット担当)では、生きる意味の大切さ。

そして「ツキを呼ぶ魔法の言葉 魔法使いのプレゼント」(五日市剛著・ほしのひかり文・古山拓絵/マキノ出版)では、今日をよりよい明日へ繋げるための言葉。

絵で関わらせていただいた本はすべて、深い意味を持った本でした。それも奇跡的な縁でわたしのところにやって来た仕事ばかり。
「あしたのまちは・・・」は自費出版ですので除くとして、なんでわたしのところにこんな話が来るのかな?と、原稿を読ませていただくたびに思いました。
私は中央の出版界に密接なわけではありません。仕事場は仙台の片隅。こう続くと、生きる上でたいせつなことを本を通して世界へ繋げる手助けをする。それが自分の役割のひとつなのかな。。。ついついそんなことを考えてしまいます。

「ツキを呼ぶ魔法の言葉 魔法使いのプレゼント」(五日市剛著・ほしのひかり文・古山拓絵/マキノ出版)の重版がきまりました。
2007年の初版から10年、おかげさまで10刷です。

ぜひ書店で手に取っていただければ嬉しいです。











posted by タク at 14:57| 宮城 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | イラストレーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月13日

立ち位置

今日、久しぶりにタップダンスのレッスンでスタジオのドアをくぐった。
恥ずかしながら、40代の頃、5年ほど下手なステップを必死に覚えていた時期がある。身辺慌ただしくなってすっかり遠ざかっていた。この数年間、数回足を動かしに行った程度。8年か9年、実質ブランクはそれくらいはある。今日のレッスンは、曲に合わせてステップを渡された。といってもすぐさま踊れるはずもない。

当たり前のことだが、モノゴトはどういう立場にいるかで見え方がまったく変わってくる。
例えば「舞台」とは物理的には一つのハコでしかないのだけれど、楽しむ観客側と、演じ手側では一つのステージは異なったものとなる、学芸会だって同じだね。当たり前のことだけど。

昨日、話題の映画LA LA LANDを観た。自分はミュージカル映画が好きだ。華やかなミュージカルと思ってチケットを買ったのだか、予想はいい意味で裏切られた。劇中、まるでこちらの心を弄られるような感覚がずっとつきまとっていた。観ていてそれは辛いほどだ。自分の指折り好きな映画に、これまた最後まで観るのが辛い「プライベートライアン」があるが、その感覚に近いと言っていい。

好きな描くことを仕事にできていいね、と、よく言われる。
苦手なことを生活の糧にするわけではない点で、確かに幸せだと思う。「だけど…」と、言い返したくなることを言わずにいつも呑み込んでいるのだが、その「だけど」の先がこの映画には描かれる。まざまざと見せつけられる。ゆえに、辛い。

自分は絵描きという仕事は、ある意味罪の深い仕事だと思っている。描き出すのは「自分自身」。自己顕示欲のカタマリみたいな仕事だ。そんなやつ、近くにいたら普通は引いて行く。
真っ当な社会生活が送れないが、描くことでどこか社会の役に立つから生かされているようなものだ。先生なんて呼ばれるけれど、世の中、教師を除いて、先生という呼称ほどつかみどころのない肩書きはない。絵描きは多分にその最右翼の中の一つだ。(困ったことにそれをわかっていない絵描きも多いのだけれど。)常々そう思っていることへ、グサリとくるシーンがとどめだった。なんと素晴らしい脚本♩

こんなミュージカルは見たことがない。監督がセッションを撮った人だというから、型どおりのミュージカル映画にはならないんじゃないか、と思ってはいた。表現芸術と、それを生きる糧に選んでしまった、選ばざるをえなかった人間たちを、心の底から愛している。そのことが伝わってきました。
自分の社会の中での立ち位置によってあらゆる見方ができるという意味でも、観てよかった映画でした。

もちろん今日のレッスン、始まるまでは気分はそれこそLALALANDだったけど、スタジオの鏡に映る踊りはもちろん立ち位置さえおぼつかない。レッスンが終わるとしこたまヘコんでしまったのはいうまでもありません。




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2017年03月11日

荒れ地で描く

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夜半、気がつけば今、仙台の闇に雪がふっている。そういえば、六年前のあの日も、雪が猛烈にふっていた。

自分にとっての6年前の3月11日・東日本大震災。
水彩画個展を数日後に控えていた自分は、あらかたの個展作品は額装を終え、雑務とイラストの納期に追われていたことを思い出す。
案件は忘れもしないJR東日本の車内誌、トランベールの青森ローカル線紀行の水彩イラストだった。トランベールのイラストは、以前からやってみたい仕事だった。縁あって仕事が舞い込み、3月11日はその受注第一回目の「納期」だった。
締め切りは夕方だった。絵は午前中に仕上がっていた。昼過ぎに原画データを大容量送信サービスで送り、ほっと一息。寝室でベッドに横になっていた時、揺れがきた。
二階にある仕事場はドアが開かないほどかき回されていた。その現場を見た時、「ああ、午前中にデータ納品しておいて良かった」と思ったことも思い出す。

その瞬間から、「さあ、仕事が無くなるぞ=ギャラが入らないってことだ。どうやって米を買う?」という日々がはじまった。受注仕事=イラスト仕事がなければ、フリーランスはバンザイお手上げだ。ひたすら絵の展示をして買ってもらうしかない。きれいごとは効かない。
奇しくも揺れた日から4日後の3月15日から予定されていた個展の内容は、三陸を描いた絵が大半をしめていた。家とは別の場所に保管していた額作品は、大きな揺れの中、落ちることなく、まるで出番をまっているようだった。
それを知った開催画廊のマネージャーの決心で、余震の続く中、個展を決行。(開催ではない。決行だ。だって、津波で流されてしまった風景をずらりとラインナップしていたのだ。場所は仙台だ。家族を亡くした方や家を流された方だってたくさんいるのだ。石を投げられても当然だった)

「アーティストに何ができるか?」なんてマスコミがのちによく取りあげていたけど、そんなこと考えている余裕は正直なかった。「絵が描けなくなりました」という声も何度も聞いた。その気持ちは痛いほどわかった。でも、描くことしかできない自分が描けなくなったら、結果は自ずと「ジ・エンド」だ。
被災地のだれもが必死。ならば、家もあり家族も無事、紙も絵の具もあった自分は、ただ、ぎりぎりがしがしと食う為に描く。
数ヶ月は彩度の低い色しか出せなくなった。それでも、行動が答えだ、そう思って何でも描いた。描きたいテーマがみつかれば、ガソリン代を工面して追いかけていった。実は、拙著「子規と歩いた宮城」は、その結果だったりする。本の中には書いていないけれど、当時の取材の記憶は、まるで粒子の荒い戦時中のフィルム映像のような印象だ。

今、思いめぐらしてみると、走っている間はまったくきがつかなかったけれど、2011年3月11日はあきらかにひとつの境界線になっている。
この六年、描くことで人様から生きる糧をいただけたことは奇跡的だった。
311はある意味、最果てだった。
自分の事務所の屋号は「ランズエンド」。訳すなら「地の果て」だ。

新幹線に乗り、旅の情報誌「トランベール」を手に取るたびに、あの日を思い出す。
311という荒れ地の最果てから、ここまで旅がつづけられていることに、感謝します。それが今の気持ちです。

絵は「ある日の七ヶ浜」です。震災前に取材していた鉛筆スケッチに、震災のあと、色付けした一枚です。
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2017年03月09日

仕事の信頼

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確定申告が近づいてきました。
「何でも自分でやろうとするな、金払って頼めることは頼め」
とはよく言われることです。もっともだなあ、と思います。

小さいながらもギャラリー・アトリエアルティオを構えてから、仕入れ、維持費等で出入りが少々煩雑になって来ました。なので昨年から税理士さんにしっかとお願いするようになりました。
かれこれ十数年、ウチの申告の最終チェックをしてくれていた税理士さんなので、まかせて安心です。
しかし、それは、税理士さんに私どもが、どうやって社会と関わっているかを、しっかり理解してもらっているから。恥ずかしいところまで知っていてくれます(笑)
何事も、信頼の積み重ねのうえで、どん!と頼めるようになるのだな、と我が身を振り返る時期なのであります。

そういえば、「何でも自分でやろうとするな、金払って頼めることは頼め」を他の「あること」で実践したら、頼んだ相手のスキルがひどかった、、、なんてこともあります。これはめちゃくちゃ痛い。
一昔前とくらべて、やりとりがメールだけ、仕事内容もブラックボックス化、頼んだのはいいけど、仕事している人の顔も見えない、、、なんて場合は,要注意。頼む相手は大きな会社だからいい、というものではないようです。

ウェブで便利になった反面、信頼をおもんぱかることが難しくなってきたように思えます。
信頼できるかどうか、結局は「直感」なのかもね。

先日、はじめて仕事をご一緒したグラフィックデザイナーさんが、わざわざ個展に来てくれました。
若いけれど、とてもいいデザインをする方でした。
その仕事はメールと電話だけですすんだのですが、直感的に「おぬし、やるな」。
会場でリアルに初ご対面。雑談することでさらに安心感が深まり、「オヌシヤルナ」感もフィックス。

仕事ではウェブの波の中に生きていますが、人間、リアルが一番大切なのだな、とあらためて思った次第です。
久しぶりにいい仕事師に出会えました。

絵はイギリスコッツウォルズの町で見かけた職人さん。
信頼感を絵にしたような風貌でした。








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2017年03月06日

19本の絵筆

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やむなく店を畳んだという和筆屋さんの筆を、縁あって譲り受けました。本数にして19本。

和筆ですが、自分の描くときの気持ちに驚くほどついてきてくれる。
まるで生きているようで、作られた職人さんの矜持を感じます。
いや、間違いなく命が宿っているのだと思う。
なんなんだ、この筆たちは…。

お持ちくださったのは、以前とあるグループ展にいらしたお客様。
「わけあって私のところに筆がごっそりとやってきましてねぇ、、、筆を使う仕事の方に分けていたんですよ。」
あまりのボリュームに固辞しましたが、是非にとの言葉に負け(正直、ほしかったのです、、、)譲ってもらったのでした。

ありがとうございます。大切に使わせていただきます。

posted by タク at 18:48| 宮城 | Comment(0) | TrackBack(0) | 水彩画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『みる!岩手県岩手郡岩手町』展開催

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【ホールの小さな展覧会】コレクションによるテーマ展『みる!岩手県岩手郡岩手町』展開催のおしらせ。

「岩手町立石神の丘美術館」における、私の収蔵作品も含めた企画展のお知らせです。同館は一昨年,私の水彩画による展覧会を開催した美術館ですが、今回の企画展では、同館収蔵作品=岩手町を描いた水彩風景画7点が展示されています。
以下、ご案内です。

会期:3月4日(土)〜4月9日(日)
会場:岩手町立石上の丘美術館 ホール ※入場無料
   〒028-4307 岩手県岩手郡岩手町五日市10-121-21
電話 0195-65-7453

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2017年03月02日

ヒキ強し日

6FB47DE7-8FDC-42E1-B40D-F68CF130B338.jpg仕事の取材で、盛岡日帰り出張でした。

しかし、盛岡の女性はめんごい美人が多い。「南部美人」とは言ったものです。そう感じるのは自分にも南部DNAが連なっている所以か??キョロキョロする自分にそう言い聞かせたりして(笑)
盛岡は、我が愛しき故郷でもありますから、仕方ないねー、なんてね。
今日もたっくさんの美人さんと岩手山がにこやかーに、迎えてくれました^ - ^^ - ^^ - ^

さて、仕事の予定滞在時間は2時間ほどと、ちと厳しいスケジュール。取材対象は歴史建造物。現地ではクロッキーのみ。ザクザクと鉛筆スケッチしていると、肩をポン!と叩かれた。
振り返ると友達が!!
「似てると思ったけど拓ちゃんじゃんか!」
びっくりなんてもんじゃない。お互いに「何してるんだよー!こんなとこで!」と肩を叩き合ってた。

モチーフの建物の、中も見たいと思っていたのですが、一般は入れそうにない。まあ、仕方ないな…と思っていたら、彼が「オレが中を案内してやるよ!」
うーん、ありえない展開だぞ。でも現実。
きくとその建造物を管轄している大元に、彼の仕事場はあったのです。

結果、予定滞在時間を一時間オーバー。
でもね、これは神様がくれた一時間だね。そんな最高の盛岡でした。

夕刻仙台にもどり、アトリエアルティオへ。途中、ヤマト屋書店に立ち寄ると、手がけた絵本「あなたの一日が世界を変える」と挿絵カットを描いた「どこまでも生きぬいて」が、並んで平置きになっていました。
書店の方の粋な計らい、としか思えない配置…。うーん、すごいなヤマト屋書店。ありがたいなヤマト屋書店。心底Thankxです。

そんな、ありえないことが立て続けにあった日でした。

絵本はアルティオでも好評発売中です^ - ^と、ちょっとだけ広告♩ぜひどうぞ。



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2017年03月01日

立ちふさがるゴリアテ

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まだ個展もはじめたばかりのころは、個展会期終了後の数日は仕事にならなかった。
真っ白な灰になって(笑)脱力と虚無感にポンコツになっていたものです。

気がつくと、初個展から20年。もちろん会期中は気がアップしているのがわかるんだけど、今はもう、終わってからも即仕事に取りかかっている。コントロールがうまくできるようになったのかもしれない。
いや、そんなかっこいいものじゃないな、予定パズルは混迷してます。
いいかんじでアドレナリンが駆け巡っています。

4月、取材でヨーロッパ某国へ出向きます。3年ぶりの渡欧。ヒコーキは押さえた。レイルパスは準備中。宿もぼちぼち。期間にして二週間ほど。仕込みは順調だ、と思っていたら、パスポート期限が切れかけていた。更新手続き、、、財布が空っぽだ。。。10年は早い。

「◎△のイラストを何本かお願いしたいんですが」
「4月に10日ちょっとですが、不在になりますけど」
「そこ、うまく逃げてくれれば大丈夫ですよ」
なんて電話をうけながら、脳内には前倒し進行というゴリアテが、ずずずっ、と立ち上がってきた。

イラストは、cGrapeSEED教材絵本用にダビデとゴリアテエピソードを描き下ろした絵です。

20170301davide_fin14_15.jpg
posted by タク at 00:31| 宮城 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | モノヅクリの裏庭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする