2012年06月26日

子規の風景「はて知らずの記を辿る」第19回 愛宕神社

子規の風景 はて知らずの記をたどる

川のかなたは即ち仙台市にして高楼画閣掌中に載すべし。
(はて知らずの記)


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 子規が広瀬川沿いにある愛宕神社に登ったのは8月2日だ。「はて知らずの記」には、崖の真下、広瀬川に遊ぶ釣り人や、川泳ぎに興じる人の描写がある。けれども句の記載はない。
 実際、神社に登ってみた。冬枯れの樹々の向こうにビル群が広がっていた。寒い日ではあったけれど、街を自分の腕に心地よく抱え込める、そんな場所だ。
 断崖から対岸を見た子規が、このアングルを前に句を詠まなかったはずはない、そう思い草稿集を当たってみた。 
 実は「はて知らずの記」は、半紙に墨書された16枚の草稿がベースとなっている。今に残るそれは、紀行に掲載されなかった句をも知ることができる貴重な資料だ。しかし残念ながら愛宕神社の記述にかかる一枚は欠落紛失していた。
 何事においても、わからないことは、イコールマイナスではない。思いを巡らすという遊びがそこには生まれる。この風景を前に、子規はどんな言葉で遊んだのか…。私なりに一句、と構えてみたが、わかったのは己の歌詠む才のなさ。結局、川向こうの仙台市街に絵筆で遊んだ。





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