2012年06月26日

子規の風景 「はて知らずの記をたどる」第21回 国見

子規の風景 「はて知らずの記をたどる」国見

涼しさを君一人にもどし置く
(子規)


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 絵は国見のうなり坂付近から山形方面を見たものだ。5日間の仙台滞在後、子規は、山形に向けて旅立つ。最後の2日間は国見の南山閣に滞在し歌人鮎貝槐園(かいえん)と文学談議に花を咲かせている。8月5日、2人は共に唸り坂を下り、大崎八幡神社の門前で分かれ、子規は出羽路を歩き出す。
 右へ行こうか、左へ向かうか。
 この時の感覚ほど「旅」の機微を集約している気持ちはないと思う。見知らぬ地で分かれ道にぶつかった時の、全身がアンテナになったような感覚。私も今までいくつかの異国の地をさまよったけれど、岐路に立ち感度を高めることが、風景や人との出会いを招いてくれた。
 出羽路という、見知らぬ世界への岐路に立った時、子規はどんな感覚で歩き出したのだろう。
 この回が掲載される4月は、この国ではさまざまな岐路がおとずれる春だ。
 日々是旅なり。
 人生のつじに立ったとき、道筋を自分の決意で選び取る。そのことは、輝く未来へつながっていると信じたい。


絵と文/古山拓
picture & text by Taku FURUYAMA all rights reserved






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