2012年06月26日

子規の風景 「はて知らずの記をたどる」第23回 陸前落合

子規の風景 「はて知らずの記をたどる」陸前落合

「涼しさや山の下道川つたひ」
子規


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 八幡から国道48号を山形方面へ向かうと、広瀬川を跨ぐ生瀬橋がある。子規がとった道筋は、橋の手前を右に折れ川を左に見るルートだ。しばらく進むと、赤い小さな新落合橋がある。彼はそこで広瀬川を渡り愛子へと向かった。
 実際に現地を訪れた。小さな畑や民家、社屋がぽつぽつと続く静かな風景だ。右手には山が迫り、左手にはうっそうとした木々越しに、川へと落ちこむ対岸が見え隠れする。
 話はそれるが、先日、ある会合で伊達藩の町づくりの話を聞く機会を得た。興味深かったのは講師の方が「時を経て町並みは変わったけれど、「空間」は変わっていない。そのことの大切さに気付いてほしい」と語っていた事だ。
 ともすれば、時代とともに景観は変わったと思いがちだ。だが山河の醸す「空間」はそう変わるものではない。たしかに百年という時は多くの建物のたたずまいと行き交う人のいでたちを変えた。しかし子規が渡った広瀬川と河岸、山塊が作り出す空気の器は、彼がたどった空を今に伝えているように思えた。

絵と文/古山拓
picture & text by Taku FURUYAMA all rights reserved




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