","datePublished":"2012-07-11T19:02:08+09:00","dateModified":"2012-07-11T19:01:30+09:00","publisher":{"logo":{"width":600,"url":"https://blog.seesaa.jp/img/amp/amp_ogp.png","height":60,"@type":"ImageObject"},"name":"水彩画・イラストレーション「古山拓アルティオ日記」","@type":"Organization"}}

2012年07月11日

子規の風景「はて知らずの記をたどる」第26回 作並温泉・上

先日7月9日付の河北新報夕刊に掲載になった「はて知らずの記をたどる」連載アップです。
今回は作並温泉。舞台は仙台から車なら40分くらいの山間の温泉宿「岩松旅館」です。その老舗旅館に子規は投宿していました。

作並温泉・上

涼しさや行燈うつる夜の山
子規


20120711_sakunamionsen1_72.jpg



 「作並温泉に投宿す。家は山の底にありて翠色窓間に滴り水聲床下に響く。絶えて世上の涼炎を知らざるものの如し」
 表題の句と前文は作並温泉に着いた子規の言葉だ。家とは現在の岩松旅館。私も子規の感じた作並時間を追体験してみたい、と、老舗に部屋をとった。
 旅館の風呂は、長い廊下を降りた先にあった。もちろん湯船にスケッチブックを持ち込むことなどできるはずもない。「これは記憶が頼りの取材だな」と、タオルだけを手に廊下を降りていった。
 露天風呂の傍ら、渓流がごうごうと音を立てる。「子規が見た風景が変わらずここにある」そう思ったとき、心にある言葉が響いた。学生時代学んでいた古代ギリシャ史の恩師、O教授の声だった。
 「私の時計はね、2000年前で止まってしまっているんですよ。ありがとう」
 卒業時、私たちがプレゼントした時計を手に、師がつぶやいた言葉だった。師は、時を自在に行き来できる心を持て、と伝えたかったのではないか…。そう思った瞬間、長廊下に掛かっていた古い柱時計が脳裏にフラッシュバックした。

絵と文/古山拓
picture & text by Taku FURUYAMA all rights reserved




posted by タク at 19:02| 宮城 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 子規の風景-はて知らずの記をたどる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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