2012年12月17日

電子タブロイド新聞【東北復興】最新号

20121208旗を揚げた日.jpg

電子タブロイド新聞【東北復興】最新号がアップされました。
夏から連載させていただいた「東北とケルト」、ひとまず今回で一区切りです。
4面掲載です。どうかご笑覧ください。

以前描いた灯台の絵「旗を揚げた日」の一つの意味を織り交ぜて書きました。

新聞のアドレスはこちらです。

http://tohoku-fukko.jp

お詫び
ちょっとした行き違いで、新聞の文章は、本来入稿しないはずだった第一稿が使われてしまいました。
ここに、最終原稿をアップしますので、よければこちらをお読みください。

『東北とケルト』第四回(最終回)
 「ケルトの地」というと、一つのカラーと思いがちだが決して同じ色ではない。
アイルランド、スコットランド、ブルターニュと、地下に流れる水脈には大きな共通項はあれど、人々が暮らす家並み、言葉、歴史と当然ながらそれぞれに違った色を持っている。
 東北も同じだ。東北というひとつのくくりで考えるのは簡単だけれども、県という境界線以上に目に見えないボーダーラインが存在し、それぞれの地方に独特の色を添えている。ひとつの地方の中にある無数の価値観、風土。それらをひとつにまとめるアイテムがある、と実感したのが、フランスブルターニュ地方を旅したときの体験だ。

 今から10年程前のことになるけれど、ケルトの地詣でを意識したときに、目の前に横たわったのがフランスの西部、ブルターニュ半島だ。何がきっかけでブルターニュがケルトの地とわかったのかは、今となっては思い出せない。きっかけはさておき強烈に引っ張られ、意識の赴く先に次々とブルターニュ情報が横たわる、そんな導きにも似たものを感じ、私は旅に出た。
 旅のルートを私はイタリア発ブルターニュ行きとした。ある意味ケルトの対局にあるローマ帝国の本山イタリアが、出発地点としてふさわしいと思ったからだ。イタリアをひとしきり見て回った後、ベネツィア発パリ行きの夜行列車でフランスに入り、TGVで州都レンヌへと辿り着いた。

 初めて訪れたレンヌ。何が、どう、という訳ではないけれど、「気の置けない町」という、「居やすさ」」を滞在中感じていた。そのことを同行の妻に話すと同じ感想を口にした。「どうしてだろうね?」「なんで居やすいんだろう?」そんな話をしていたが、ふと町が持つ「気」が、自分たちが暮らす町と似ている事に気がついた。
「そうか、仙台の「気」だよ、ここは…」
 偶然にも仙台とレンヌは姉妹都市の関係を結んでいる。前回の連載でも書いたけれど、土地が持つ歴史や人々の気質が複雑に絡み合い醸し出す、確かな「気」がある。奇しくもユーラシアの東西の端にある姉妹都市に、私と妻は共通するものを感じたのだ。

 ブルターニュには、歴史の流れの中、意志に反してフランスに組み込まれていった歴史がある。それ故だからだろうか、いまだに独自のアイデンティティを大切にする空気がある。レンヌに博物館を訪れたときも、言葉はわからなかったけれど展示からその気質を感じたことを覚えている。人々のアイデンティティを模索する機運は、ブルトン語なるゲール語(ケルト系の言葉だ)復興運動をも巻き起こしたくらいだ。
 そして驚いたのは、ブルターニュが独自の旗を持っている事。そう、国旗ならぬブルターニュ旗があるのだ。

 なんとうらやましいことだろう、と、素直に私はそう思った。独自のアイデンティティを持つ人たちが「旗印のもとに…」とか「旗を掲げる」という言葉を決して抽象表現ではなく、厳然と目の前に掲げることの大切さ。この時の旅での大きなの収穫のひとつは、翻るブルターニュ旗を見たことにあったといってもいい。(同じような地方の旗は、スコットランド、ウェールズにも見ることができるがすこしだけ意味合いが異なるように感じている。)

 東北復興が叫ばれている。自分が生計をたてるフィールドそれぞれで主張は違うだろうし、復興イメージもまた千差万別だと思う。そんな今、つい思い出してしまうのが、ユーラシアの西の果てに翻るブルターニュ旗だ。旗は、アイデンティティが共通ならば異なる思想、立場であっても、それらを大きく包み込むシンボルだ。
 だれもが認める東北人の気質を結晶させた旗が、三陸の被災地に翻っている光景…。被災地東北に立ち、ブルターニュに思いを馳せるとついついそんなシーンを想像してしまう。

 「旗を揚げた日」というタイトルの拙作がある。この絵を仕上げた時、思っていたのは、いままで綴ったことだった。どんなにつらくとも旗を揚げ続けたい。そうすることで未来は開かれる、そう思いたい。 --了--

bretagne_flag.jpg
ブルターニュの旗

ケルトの響き4.jpg
「ケルトの響き」

レンヌ素描 .jpg
「レンヌ素描」

仙台風景.jpg
「仙台風景」

日和山風景_石巻.jpg
「日和山風景-石巻」


posted by タク at 10:23| 宮城 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 水彩画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ときどき遊びに来て絵や文章を楽しませていただいている青森在住のtsubomiです。遅ればせながら「東北復興」に掲載されている第1回目のコラムを読ませていただきました。「君の住む大地に立つ旗は、どんな旗なのか?」という言葉が印象的でした。私自身、数年前に東北の旗というものがあったらいいのになあ、と思い、ではどんな旗が東北にふさわしいのか?と空想したことがあったからです。スコットランドみたいな独自の旗や議会を東北が持てるようになるのが夢です。
Posted by tsubomi at 2013年01月04日 11:54
tsubomiさん、こんにちは。いつもありがとうございます。
東北の旗、あるといいですよね。わたしもずっと思っていたことです。
tsubomiさんのイメージした旗はどんなデザインだったのでしょうか?
心にそれがあるだけでも、生き方が変わってくるような気がします。

Posted by タク at 2013年01月05日 10:00
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