2015年05月06日

石神の丘美術館展作品メモ・マルタ島

「海鳴り」
06海鳴り.jpg

岩、断崖が好きで今まで何カ所か描いているけれど、この作品もそんな崖絵の一つ。
果てや大地の端っこは、人間の深いところのなにかをくすぐるものがあると思っている。
●△最果ての地、とか□※最西端、などというフレーズにアンテナが立つのは私だけではないと思う。
おおかたそんな場所は大地が途切れ、海に崖が落ち込んでいる。あえて荒々しい場所がはしっこにはふさわしいと思うのは自分だけではあるまい。

岩好き、崖好きのわたしにとって、マルタ共和国、ゴゾ島の海辺もまたモチーフの宝庫だった。
風が水分をまきあげ、崖をかすかにかすませていた。一人の女性がたたずみ写真を撮っていた。スケッチをしている間、だいたい15分くらいだったと思うが、彼女もずっとその場所に立ち尽くしていた。
この絵は、ごおごおと響く海鳴りを、見知らぬ彼女と共有した時間だ。


「シロッコの港」
シロッコの港.jpg

船や飛行機、クルマといった乗り物や、日常使う道具は、知らず知らずのうちにそのデザインに、国ごとのアイデンティティが表れると思う。
マルタ島、マルサシュロックの港には色鮮やかな漁船が浮かぶ。
地中海のどまんなかに位置するからだろうか、かつて古代のエジプトやギリシャローマの軍船を彷彿とさせるデザインは、その地理的歴史的なと成り立ちと無関係ではないとおもう。

今に生きる人間は、ただ数十年の生を与えられたのではない。過去数千年の脈々と手渡された深い記憶を持って今に生きているのだ。
港の色は、そんなことを描き手の自分に考えさせる。


posted by タク at 18:14| 宮城 | Comment(0) | TrackBack(0) | 個展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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