2016年09月13日

どうしても描けない

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「宿で絵を仕上げた。」という画家の言葉を目にするたび、なんと自分はズボラなんだろう、と穴に入りたくなる。

もともと描くことを仕事にする前から、旅自体が好きであちこちふらついていた。その時からの習性が抜けず、宿に入ったとたん、そこはホームになり、最上の安息の場となる。
そうなるともうダメだ。描けない。

もっともいつも訪れる先は9割方スケッチ取材旅だ。外ではどんなところでもバリバリ描けるが、宿に入るとアウト、なのだ。
絵が好き以上に旅が好き、旅籠が好きということなんだろう。いや、ただのズボラスタイル大好きということなんだな。

湯につかる→晩御飯を食べる→地図を開いて周辺の旅先情報をチェック→文庫本を開く→就寝がいわゆるワンセットであり、そこには「描く」ということが入る余地が無い。

趣味で描いてた若い時は、たまにハガキサイズのスケッチブックに描いたりしていたけど、仕事となった今は、過去二十数年出張先の旅館で水彩絵の具を溶かした試しがない。

絵具を開かないかわりに必ず開くものが文庫本だ。
ちなみに昨日から、下北半島の漁村に宿泊しているが、持って来た本は、井上靖の「海峡」。
作家が舞台にした地で読む本は、しみじみと旅情ににじりよってくる。下北の体感イメージに深みが増してくる。

やっぱり旅籠でひらくのはパレットじゃなく文庫本が自分には吉だ。
取材で訪れた漁港を旅籠の窓から眺めながら、そんなことを思いました。





posted by タク at 10:07| 宮城 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | モノヅクリの裏庭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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