2015年09月03日

表現者の光

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宮沢賢治イラスト展も中日を過ぎ、後半戦です。トップ絵は「種山ケ原」。
できるだけ日中お客様に会いたいので、仕事は早朝シフトでやりくり中。

アトリエアルティオという自前の器ではじめての企画展、おまけにいままでにやっていなかったイラストレーションというくくりでの個展ですが、そんなせいもあってか、様々なジャンルのアーティストと交流が生まれているのがうれしいです。

昨日はコラージュアーティストの村尾沙織さんとはじめてお会いしました。
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もともと書の作家さんが共通の友人だったことで、お互いにネット上ではコンタクトを取っていましたが、実際にあうのは今回はじめて。
初対面ではありましたが、ジャンルを越えたところでの前に進む光みたいなものを共有できたように感じました。

サプライズは、埼玉県川口からいらしてくださった清水さん。このかたは舞台やオペラのメーキャップアーティストの古参兵(兵といっても素敵な女性です)。以前川口の栄町商店街主催の震災復興支援個展で知り合ったのが縁です。
昨年、川口で開催された「こども枕草子」展に、わたしも「枕草子かるた」にコラボし、イラストレーションを出品しています。
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実は清水さんは一年ほど前、私が宮沢賢治学会イーハトーブセンター会報誌に挿絵で関わることを知ると、ご自身がお持ちの賢治関係の本をどさりとおくってくれました。それが今回の作品展の遠因となったといっても過言ではありません。
今回は、何の連絡も無しで、突然の来訪でした。実は案内状を送ったのですが、どうしたわけか転居先不明として戻ってきていました。
清水さんは賢治イラストレーション展のことなどまったくしらずに、仙台に用事があったその足で、アルティオに訪れてくれたのでした。
届けたい方には、その気持ちはとどくんだな、きっと。

ほかにも異ジャンルの創作にたずさわる方々が次々来訪くださり、モノヅクリ感度が振り切れ気味の一日でした。

今日ももちろん会場入りです。アルティオでお待ちしています。


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2015年09月01日

注文の多い料理店

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「注文の多い料理店」


先日、宮沢賢治イラスト展が河北新報で紹介されました。
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おかげさまで小さなアトリエアルティオですが、雨にもかかわらずお客様がいらしてくだっています。本当にありがたいです。

今日のトップイラストは、その中の1枚、「注文の多い料理店」イラストレーションです。

そんな今日、昼過ぎから仙台市立K小学校へ行ってきました。
縁あってK小学校の先生からお話を持ちかけられ、図画工作の時間を使い、絵やイラストのワークショップをすることになったのです。そんなわけで、まずはワークショップ本番に先立って、授業参観させていただいたのでした。

ひとこと、新鮮でした。
何が新鮮だったかというと、先生と子供達の優しいけど新鮮な言葉や想いのキャッチボールです。
教育の現場にどきどきしていました。
私は美術の専門教育は受けていません。美術教育という点でももちろんドシロウトです。けど、私という絵やイラストレーションに携わっている「異邦人」が学校の教室に入ることで、子供達の何かの刺激になればいいなと思っています。
本番はまだ先ですが、子供達といろいろすることが今から楽しみになりました。


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2015年08月30日

賢治の世界4日目終了。

ライターさんが宮沢賢治回想展に取材で来てくれました。

まとめてくれた記事に背筋が伸びた。

明日月曜はギャラリーおやすみして、また火曜日からまたオープンします。
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2015年08月26日

ここがイーハトーブ♩賢治回想展スタート

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今日からアトリエ アルティオで、古山拓イラストレーション展「宮沢賢治回想」がはじまりました。
1月にオープンしたちいさなアトリエギャラリーではじめての企画展です。

個展では、もっぱら水彩風景画でみてもらってきた20年、じつはイラストレーション展ははじめてです。
私の制作になかでイラストレーションは大きな比重を占めていますが、いままでそのスタンスで個展をしてこなかったのが不思議なくらい。

自分の中では水彩画でもイラストでも表現に垣根はないのです。なのでいままでの水彩個展にいらしてくださったお客様にその一面も知ってもらいたく、今回の企画となった次第です。(正直どきどきですが)

今回の展示作品は宮沢賢治の童話をモチーフに、ペイントソフトであるペインターを使って描いたイラストをジクレーで刷り出し、額装したものです。

9月6日まで開催していますので、ぜひどうか足をお運びください。
(おかげさまで好評いただいています小さな水彩風景画「ちび絵」も同時展示販売中です。)

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2015年06月01日

平澤教育長と私

石神の丘美術館での展示が昨日終わりました。

いままでたくさんの個展をいろいろな会場で開催してきましたが、過去一番人様に助けられ、また面倒をかけた展覧会でした。
実は今回の展示のきっかけは、岩手町の平澤教育長のひとことがはじまりでした。
「岩手町の素晴らしさを、古山さんの絵を通して子供達や町民のみなさんに伝えることはできないだろうか」

平澤さんは教育長に赴任となる前、何年も前から私の個展にいらしてくださっていました。ただ,教育関係者とは一切あかさずに、あくまで一人の観覧者として。

その後、小説家で美術館の芸術監督でもある斎藤純さんと私の細い縁が別の角度でからみあい、流れは平澤教育長の思いと合流、私が幼い頃岩手町に住んでいたという事実も重なって、岩手町立石神の丘美術館「古山拓水彩画展」開催へと向かっていたのでした。

いよいよオープニングセレモニー前日となった4月17日。町を代表して開館挨拶をする予定だった平澤教育長から電話が入りました。
「病院に検査にきたところ、心疾患がみつかってしまった…医者は生死にかかわる疾患だと…」
言葉を失いました。
急な手術が必須となっての緊急入院、でした。

手術は予定より延び、会期中の退院はどうあがいたところで無理、とのこと。
美術館の学芸員さんや私は、手術の成功と回復を祈るしかありませんでした。

手術が終わって一週間ほどたったころ、教育長の奥様に、様子をうかがう電話を入れましたが、疲労が電話の向こうの声にはにじんでいました。

教育長とのふしぎな縁でスタートした美術展です。学芸員の方がこんなことをつぶやきました。
「回復、あせらないでほしいですね。たとえ会期は終わっても、教育長が退院してきて皆でゆっくり話せるときまで、展覧会はかたちをかえて続く感じがしますね」

最終日前日、5月30日土曜日の朝。
岩手町内の旅館から美術館に向かう途中、助手席に放り投げていたケータイに、一本のショートメールが入りました。
美術館駐車場に着いてチェックすると、発信者表示は「平澤さん」

あわててひらくと、「明日朝、急遽退院となりました!明日、美術館に伺います」
信じられない一報でした。

最終日、平澤教育長が奥様と足取り静かに来場しました。
胸部を開けて手術でしたので、「車いすでごらんください」と学芸員さんが申し出ましたが、「歩いて観ます」

掠れた声でしたが、私としっかりと会話。ゆっくり1時間ほど館内を一巡したでしょうか。
「ちょっとつかれました。もっとゆっくり見たいので、部屋でひとやすみして、閉館前にまたきます。」
そうおっしゃって、一度自宅へもどられ、夕方再来館。

あらためていろいろな話が交わされました。
ふと、80号の絵「冬の日の対話」を前に、平澤さんの目が光って、言葉が詰まりました。
「この絵たちを、もしかすると見ることができなかったのかもしれない、と思うと、今日という日は奇跡です。言葉にならないですよ…ほんとうにありがとうございます」

奥様も
「実は2度来館して絵を見ているのですが、手術の不安に押しつぶされそうで、絵がモノトーンのようにしか見えなかったのです。今日は色がどんどん感じられます。こんなにも色合いが絵の中にあったのですね。絵は心で見るものなんだということが、今回よくわかりました」
そんなお二人の言葉と再会に、私は語る言葉がありませんでした。

昨日夕方、会期終了。
昨晩遅く、私は東北自動車道で仙台に戻りました。
仙台について、妻と娘といろいろな話をしました。
いままで何十回となくやってきた個展とは、まったくことなる、疲れたけれども静かな水辺のほとりに休んでいるような、そんな感覚でした。

石神の丘美術館では、ギャラリーでの個展とは全く違った縁やできごとがたくさんありました。
館の方はもちろんのこと、日通の美術専門のみなさん、収蔵作品を快くお貸しくださった所蔵家の方や、学校関係者。そして岩手町のみなさんと小中学校の子供達。これほど人との繋がりを意識させられた個展はありませんでした。
ありがとうございました。

これから、描くことでどう人様に関わり、生きるのか?そして描く者の役割とはなんなんだろう?
いろいろそんなことを考え直すきっかけをもらえたことが、今は最大の収穫だったように感じています。

写真は閉館間際のスナップです。(掲載許可いただいています)
写真右から、
芸術監督斎藤純さん 平澤夫人 平澤教育長 美術館学芸員の石山さん 斎藤さん 松森さん

準備から開催まで本当にお世話になりました。ありがとうございました。

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2015年05月31日

石神の丘美術館最終日

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長い会期と思っていた、石神の丘美術館での展示も本日最終日です。
今、沼宮内の旅籠でケータイからアップしてます。

まずは、想定以上のたくさんの方にご来場いただきました、ありがとうございました。来館者数も把握していますが、美術団体がよくやる「来館者数発表」は、個人的にカッコワルー、ハズカシーと思っているので、あえてしません(笑)が、美術館学芸員さんはスマイルです。よかった。


昨日、閉館間際、ひとりの中学生の女の子が画集にサインを求めてきました。
学校見学では画集は買えなかったので、あらためて両親に送ってもらって再び来た、とのこと。聞いた家の場所は自転車で来れるようなところではない、とは美術館の方の弁。

実は岩手町の小中高生がほとんど観に来てくれました。その事実が自分としては最も重い価値であります。

その昔、個展をはじめたばかりの頃、作品が売れたことに舞い上がった私は、そのギャラリーのオーナーさんから、コッテリと絞られたことがありました。
「作家の鑑賞者に対する責任とはなんぞや?」をそれ以来、ボンクラアタマで考え続け、アホのように個展を続けることになりました。

今回、岩手町の子供達全員がとても楽しんで見てくれたという事実は、ボンクラなり自己流でも個展を続けてきた価値はあったなあ、と、思っています。

話をその女の子にもどします。
その子の中学には美術部はないとのこと。でも、絵が大好きだと言っていました。
「大人になったら絵描きさんになりたい?」と聞くと、綺麗に輝いた目で大きくうなづきました。


その子のはにかんだ笑顔とスーパー綺麗な輝いた瞳が、石神の丘美術館にいたる一年、そして会期の総括だったと思っています。

夜中にザーザー降っていた雨もあがり、雲間からお日さまがでてきた♩
岩手町の空の上をふわっと飛んでいる自分がイメージできてます。
というわけで、勝手に最高の最終日と判定しちゃおう。

そんな石神の丘美術館でお待ちしています。

写真は、昨日、石神の丘で出会ったクワガタ君、です。

もうすぐ夏だ。

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2015年05月14日

石神の丘美術館展作品メモ・5 丹藤川渓流

『描きたいものの「向こう側」を描く。』
それはいつも描くときに思うことです。描くことに携わっている人なら基本でしょうから「あたりまえだ!」と怒らないでね(笑)

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この絵は岩手町を流れる丹藤川を描いた二題。

水しぶきを描きだすには、向こう側の岩くれを描くことで出すわけで、奥と手前奥と手前、、、と繰り返しているうちに、そのつぶやきは、明るさと暗さ、月と太陽、陰と陽、枝葉と根っこ、晴れ男と雨男、男と女、、、なんてなっていくわけです。

描いている人の心のうちって、まあ、さわがしいものです。(わたしだけ??)


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2015年05月10日

石神の丘美術館展作品メモ4.ハワース

知らない町を歩くことって、大事だと思う。
描く時には風景と心の中で対話しているんだけど、見知らぬ町や野を、ひとりてくてく歩くと、知っている場所を散歩するのとはまた違った対話をしているんだよね。

この絵はイギリスヨークシャーのハワース近郊の丘陵地帯を歩きながら、アンテナに引っかかった風景。丘をくだり、登ったトップで振り返ったらこの景色が広がっていた。

あえて、平板に捉えたくなった景色でした。


今日も石神の丘美術館に会場入りしました。遠くは新潟や仙台から新幹線でわざわざいらしてくださった友達もいて、感謝でした。

あすは、石神の丘美術館で、初心者のための水彩ワークショップです。



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2015年05月08日

石神の丘美術館展作品メモ3・岩手町付近

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40 degrés N #5
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今回、岩手町付近を描いた絵を北緯40度シリーズ連作として、合計22点展示している。これらはその中の2点。描いた場所は行政区で線引きすると岩手町ではなく一戸町奥中山ということになる。が、描き手にとって大切なのは、風景と自分の核のフォーカシングであって、地図上の破線はどうでもよいものだ。
岩手町には北上川の源流がある。そこに至る道は実は、かつての奥州街道だ。路面はアスファルトになっているけれど、道が発するオーラは間違いなく深い歴史が刻まれたそれだ。
途中一里塚の史跡が残っている。その場所は地図上は岩手町だが、数十メートル越えると、この絵の風景がひろがる大地が目前にあらわれる。
思わず息をのみ鉛筆をクロッキーブックに走らせた。

不思議なもので、クロッキーと、その時撮った写真は似て非なるものだ。目は描きたいものをきちんとズーミングしてくれる。クロッキーされたラフスケッチをと同じようにカメラのレンズで撮ろうとしても、決して同じにはならない。
目と心と手が風景に直結し、心の中で様々な会話=がゆらぎとして鉛筆の線に加味されることが快感なのだ。だから鉛筆クロッキーはやめられない。

そうしたとき、大地のラインはパーフェクトな「神の線」だといつも思う。

この二枚の絵はそんな「神の線」にすこしでもすり寄りたいという、罪深い悪あがきの発露だ。
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2015年05月06日

石神の丘美術館展作品メモ・マルタ島

「海鳴り」
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岩、断崖が好きで今まで何カ所か描いているけれど、この作品もそんな崖絵の一つ。
果てや大地の端っこは、人間の深いところのなにかをくすぐるものがあると思っている。
●△最果ての地、とか□※最西端、などというフレーズにアンテナが立つのは私だけではないと思う。
おおかたそんな場所は大地が途切れ、海に崖が落ち込んでいる。あえて荒々しい場所がはしっこにはふさわしいと思うのは自分だけではあるまい。

岩好き、崖好きのわたしにとって、マルタ共和国、ゴゾ島の海辺もまたモチーフの宝庫だった。
風が水分をまきあげ、崖をかすかにかすませていた。一人の女性がたたずみ写真を撮っていた。スケッチをしている間、だいたい15分くらいだったと思うが、彼女もずっとその場所に立ち尽くしていた。
この絵は、ごおごおと響く海鳴りを、見知らぬ彼女と共有した時間だ。


「シロッコの港」
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船や飛行機、クルマといった乗り物や、日常使う道具は、知らず知らずのうちにそのデザインに、国ごとのアイデンティティが表れると思う。
マルタ島、マルサシュロックの港には色鮮やかな漁船が浮かぶ。
地中海のどまんなかに位置するからだろうか、かつて古代のエジプトやギリシャローマの軍船を彷彿とさせるデザインは、その地理的歴史的なと成り立ちと無関係ではないとおもう。

今に生きる人間は、ただ数十年の生を与えられたのではない。過去数千年の脈々と手渡された深い記憶を持って今に生きているのだ。
港の色は、そんなことを描き手の自分に考えさせる。
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2015年04月30日

正岡子規から岩手町へ

「石神の丘美術館」のある岩手町の平澤教育長が、推薦文を教育委員会だよりに寄せてくださいました。

私の創作姿勢や作品への有り難くも重い言葉の数々に、恥ずかしい限りです。
やはり絵は作家の恥を描いているのだと思います。

以下、転載許可をいただいたので、アップします。


“みちのくへ涼みに行くや下駄はいて”俳人正岡子規が明治26年病を押して東北の旅に出た。その足跡をたどる旅を河北新報に連載した『子規の風景』は名連作である。作者古山拓さんは,連載の冒頭に自身の意思を記している。「旅の画家」と名付けたくなる所以である。
「旅に出よう」その感覚は人の心の根っこに潜む独特の感情の一つだと思う。きっかけの大方は,何かの節目だ。心をチェンジするときや学びを得ようとするとき,はては大きく前に進む決意を持ったときなど,言い換えれば強い意志で未来を変えようという意思が人を旅に誘うのだろう。私自身,絵を描くよりどころの一つに旅がある。もちろん新しいインプットを求めてだ。」

 旅に出ると,否応なしに自己との対話が始まり,自己を凝視し旅先の風景と重ね見る。そこに発見があり感動が生まれる。その感動を水彩画という伝達手段で私たちに提供してくれる。
 森信三は人間の偉さの要件を@情熱Aそれを浄化する意志力という。(『修身教授録』P336より)情熱は感動する心から生じる。拓さんの作風は,自身が受けた感動から始まる情熱を徹頭徹尾浄化し,清明な意味ある世界として私たち鑑賞者に提供してくれていると私は解釈する。


≪ブロンテブリッジへの道≫ (56×64.5cm)
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柵を石で作るのはイギリスの北方の風習であろう。南方は,ほとんど木で囲っているそうだ。長い年月,何代にも渡って,耕作地からじゃまな石を拾い出し,積み上げた結果がこの連綿と続く石の柵であろう。背景の丘にも所有地の境界だろうか。延々と石の柵が続いている。一点透視図法で,鑑賞者を羊と煉瓦づくりの民家に視線を誘う。それによって,羊が二頭まるで民家の主であるかのような存在感を持たせている。拓さんの風景作品には,そこに住む人々の暮らしや歴史が描き込まれている。そのまなざしは常に優しい。
「時の積み重ねは美しい。その美しさは暮らす人々の思いの地層だ」(子規の風景より)

≪40degres N ♯8 一方井付近≫  (30.5×63p)
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 厳しい岩手下ろしのためか吹きだまりが道の境を消している。荒涼たる原野か?そうではあるまい。画面の中心に電柱を配し,枝を広げた一本の木が寒風に負けず凛と立っている。かつては雑木林の原野だった所を,畑作地か牧草地に開墾し,電気を通したにちがいない。冬の厳しさを克服し,たくましく農業生産活動に励む岩手町民のじっと春を待つ心があるではないか。岩手の人は,北緯40度の寒風が厳しければ厳しいほど,早春の芽吹きを心待ちにして,春耕へのエネルギーを充電する。
拓さんの描く雪景色は,風も雪も冷たいけれど,じんわりと温かい。  (文責:平澤勝郎)
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2015年04月17日

岩手入り

ふるさとはいくつもある。

父は、私が幼い頃、木炭集積に関わる仕事についていた。自宅は仕事場を兼ね、ほぼ一年おきに岩手県の北上山地の山間部や、炭が集まる小さな町を点々としていた。

ふるさとが幾つもあると書いたのは、そういう意味だ。

幼い頃の記憶は、だんだんと薄れて行っている。けれど、見知らぬ場所で、どこか懐かしい、と思える場所は、多分にそんな記憶をくすぐり目覚めさせているのではないか、とも、思う。

そんなふるさとの一つが岩手町川口だ。

盛岡から北へクルマだと40分ほどだろうか。岩手町の南に位置するその町の鉄道駅のすぐそばに住んでいたことがある。

その町で共に遊んだ幼なじみと再会したのは昨年のこと。47年ぶりのことだった。

縁は不思議だ。47年間、なんの音沙汰も無かった岩手町に、三つの縁が昨年唐突に結びついた。縁の話は割愛するが、それらがより糸のようになり、岩手町立石神の丘美術館での個展に結びついた。

土曜日18日にスタートする個展には、ありがたくも町政60周年記念の冠がつけられた。

明日、その岩手町にオープニング出席のため前日入りします。
なんというか、岩手町の大地と空が、引っ張ってくれた、そんな気がしてなりません。







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2015年03月28日

『古山拓水彩画展・Drawing under the sky』

展覧会情報・解禁♩です。

来月4月18日から5月31日まで、岩手県岩手町の「石神の丘美術館」で、岩手町町政施行60周年記念・『古山拓水彩画展・Drawing under the sky」が開かれます。
昨日、ネットで美術館から情報がアップされました。
いままで描いたヨーロッパから東北を描いた水彩画を現在の所有者から借受けて展示、そして現在岩手日報に連載中の大村友貴美作「ガーディアン」の原画展も併催します。

個展は数多く開催してきましたが、美術館での展示は、今回がはじめて。
今、最後の準備に追われています。

北の大地は厳しいけど優しいです。
ぜひ、みなさま、こころの深呼吸しに岩手町へいらしてください。

その前に、明日まで開催中の晩翠画廊個展「北へ」にもなにとぞ、どうか、いらしてくださいねf^_^;

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2015年03月20日

人様いろいろ

個展4日目終了です。

昨日、今日と、版画家のOさん、ガラス作家のNさんが来てくれました。
べつの表現方法を持っている作家の方からは、その別オーラから、とても大きなヒントをもらえます。不思議です。お二人にはいつも感謝です。

お客様も様々ですが、作家も様々。

様々な中から、何をすくい取るか?
自分でしかすくい取れないことが間違いなくあって、それが自分らしさを作って行くのだな、たぶんきっと。

夕刻、いつもお世話になっている、学習塾の社長が奥様ときてくれました。
叩き上げ型人生を絵に描いたような社長と支える奥様だけど、会うだけで背骨に鉄芯が入るのがわかる。
ここんとこ、いろんなことが重なって、あたふたしかけてるオノレが恥ずかしくなった。まだまだ青瓢箪だな、オノレ(汗

いぶし銀はムリだけど、同じ青でも群青色にはなりたいもんです。

明日もがんばろう。

絵は、津軽の小泊港を描いたものです。
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2015年03月16日

晩翠画廊に搬入

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明日火曜日からスタートする晩翠画廊個展の搬入展示が昨日ありました。
5時半スタートでしたが、当然前の作家さんの撤収とオーバーラップしつつの展示搬入。
画廊のスタッフに「7時展示終了目標でやりましょう」(言ってしまった…)

前の作家さんたちの速攻撤収&画廊スタッフの手際よいサポートもあり、ばばばっと終わって時計を見たら7時ジャスト。
この快感といったらない♩
速掛けだけはトクヒツモンの作家(笑)

…というわけで、ちょっぴり個展「北へ」のカミングスーンショットです。
ぜひみなさまいらしてくださいね^_^
そのあと、久しぶりに画廊の近所で妻と外食。
妻がハンドルキーパーかって出てくれたので、ワインでほろ酔いでした。
posted by タク at 10:03| 宮城 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 個展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月02日

石神の丘へ3

例えば今日、誰かとあったとして、そのことが他の何かに繋がるのは数年後、あるいは何十年後なのではないか…。さっき、傍らを通り過ぎたひとは、一年後に「はじめまして」と挨拶を交わすのかもしれない。


石神の丘のさまざまな人とのつながりを目にして思うことは、そんなことだったりします。


北緯40度の町というキャッチコピーを子供の頃から目にしていました。

当時はなんと言うことなしに見過ごしていました。


ですが、今は目に見えない北緯という境界線を描き、そこで発表することは、石神を縁に時間を跨いで繋がった人との出会いと同じように、遥か先の何かに繋がっていると信じたいです。


(石神の丘美術館の会期は2015年4月18日から5月31日まで)




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2015年02月28日

石神の丘へ2

一枚の写真が、古山家の古いアルバムに残されています。
板壁の旧い家の二階、拳銃とマシンガンを得意げに構えたチビ2人が写ったモノクロ写真です。

一人は私。もう一人はKちゃんという、毎日のようにつるんで遊んでいたおさななじみです。
場所は岩手川口駅のすぐ脇にあった、当時木炭検査所で働いていた父の仕事場兼自宅。ちなみに私の弟の名前は、私がダダこねてKちゃんの名前から拝借したほどの仲良し。

引っ越して以来川口に訪れることもなくなって四十数年、Kちゃんの消息はわからずにいましたが、昨年の盛岡川徳デパートでの個展のとき、一人の男性が話しかけてきました。その彼がKちゃんでした。
岩手町川口に住んでいたのです。

岩手町での個展の話が動き始めて間も無く現れた幼馴染。
これは、結果どうあれ岩手町で個展をやりなさい、ということなのかな?
まずは岩手町にいってみよう、と、思い込み激しい私は舵を岩手町にとったわけでした。

私の実家は盛岡ですが、古山家のルーツは岩手県北の二戸という田舎町。秀吉にたてついた九戸政実が包囲戦で滅ぼされた場所です。ま、本文とはあまり関係ないですが。
その盛岡=二戸の中間地点が岩手町。
中心は沼宮内(ヌマクナイ)。国道4号沿いの交通の要所です。

そんな地理関係上、沼宮内はよーく通っていましたが、あくまで通過点でしかありませんでした。

訪れて四号線から脇道にそれると…大地のラインは、私が惚れ込んで何度も訪れてるスコットランドのそれと同じ!もの。
こんな素晴らしい景観が広がっていたとは…。と、スケッチブックには次々がしがしとドローイングが描かれてました。

以下、次回へ続きます。









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2015年02月27日

石神の丘へ

昨日、岩手町の石神の丘美術館から芸術監督と学芸員の方がアトリエに来訪、4月18日から、石神の丘で開催される私の展覧会の打ち合わせがありました。

なぜに私が岩手町にいざなわれたのか、思い返すと初めての岩手個展がきっかけだったように思います。

川徳デパートで開催したその個展に一組のお客様が見えました。そのお客様はのちに、仙台の個展にもいらしてくださり、毎回ご挨拶を交わすことになりました。

もちろん肩書きなど明かさなかったのですが、一昨年、教育関係の仕事で岩手町に赴任した旨、初めて明かされました。
「機会があったら、ぜひ岩手町を描いて欲しい。素晴らしいところです」そんな会話がありました。

その方と同時進行で、個展会場でもう一人の方と出会っています。小説家の齊藤純氏です。縁あって蝦夷とケルトのことをお話ししたギャラリートークに聞きに来てくれていたのでした。

その後、斎藤氏とゆっくり話す機会はあまりなかったのですが、前述のご夫妻からの話と同じ時期、石神の丘美術館の学芸員の方が盛岡で開いた書家との二人展に来訪。斎藤氏が石神の丘美術館の芸術監督であることを知らされました。

その時、ふと、思い出したことがありました。
「岩手町じゃないかもしれないけど、岩手町のあたりに川口って町、ありますよね。わたし、4歳くらいの頃、そこに住んでいたことありました」
「古山さん、そこ、岩手町ですよ!」

以下、次回へ続きます。
posted by タク at 12:22| 宮城 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 個展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月06日

台風個展

個展後半戦スタートです。
なぜか私の個展は記録的な「気象条件」と重なることが多いのです。
今日も今年最大級の台風上陸…。

実は個展会期中の台風直撃は何度か体験済み。
昨年夏の銀座個展は記録的猛暑だったなあ。
今年の冬の仙台晩翠画廊個展は記録的豪雪とリンク。これもすごかった。

でも、究極は2011年の個展に重なった東日本大震災。それを考えれば、気持ちもラクかな。
今日いらっしゃるお客様が仮にいるとすれば、それはキラ星のお客様でございます。
さて、出発準備だ。

写真のなかで、ひとり立つのは接客バイトに入ってくれた、大学三年になる娘です。
そのバイト代で同会場で開催中の関根先生作・ティーカップ=作家もの=をゲットしたキミを、父は誇りに思うよ。
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posted by タク at 09:15| 宮城 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 個展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月02日

ヨークシャーがくれたもの

20141002家々のささやき.jpg

今日が、仙台藤崎百貨店での個展初日です。
イギリスヨークシャーを描いた水彩紀行展です。

ヨークシャーにハワースという町があります。女流作家エミリーブロンテがかつて暮らし、「嵐が丘」を書いた小さな町です。
私が旅した時も驟雨がまとわりつく、そんな小説の中に書かれた自然の厳しさがありましたが、それゆえ得ることができた「感覚」がありました。
厳しさの間にももちろん晴れの日はあります。日差しがのぞいた時のこころの高揚感は忘れられません。
そんな体験を、絵に描いてみました。

絵に取り上げた場所は、ヨークシャーの四つのエリア。ハワース近郊、ヨーク、そして北海に面したロビンフッズベイ、ウィットビーです。
英国には大陸ヨーロッパの魅力とはまた違った魅力があります。
その空気を少しでも伝えることができたらうれしいです。(なんだか、英国観光庁のコピーみたいですが、、、笑)
トップの絵は、ウイットビーという町を描いた1枚です。
全日、会場でお待ちしていますので、ご来場を心からお待ちしています。

++++
fujisaki_2014_dm1.jpg

■会期:平成26年10月2日(木)〜10月8日(水)
 (最終日は午後4時半閉場)
■会場:藤崎本館 6階美術ギャラリー
 仙台市一番町三丁目2-17 電話022-264-5111(藤崎・代表)

posted by タク at 07:34| 宮城 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 個展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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