「ブルターニュ地方の歴史と文化」講演会にいってきました。
思った通り、中身の濃い講演会でした。90分の予定が、小林文生先生、ケルティングスイッチが入り、なんと120分!!
ここ十年あまり、英国のケルトの地やアイルランドに詣でてきました。ヨーロッパ大陸にもブルターニュなるケルトの地がある、と知り、旅したのが5年ほど前。その出発間際、まるで必然のようにブルターニュ地方の講演会を新聞の小さな記事で知り、出会ったのが小林文生先生でした。
仙台でケルトの講演会、それもブルターニュケルトのお話が出発間際に聞けるなんて!旅の神様はなんと粋な計らいをしてくれるのだろうと、本気で思いました。
そして今回です。
実は、とある企てを考えていました。もちろんブルターニュケルトにからむ企てです。そして、今回の講演会、でした。
何を隠そう講演会のことを知ったのは三日前。きっかけは妻。毎日、妻に頼んで新聞からスクラップしてもらっている挿し絵があるのですが、そのキリヌキの裏側に書かれていたのが、なんと今回の講演会だったのです。
「ちょっと、ちょっと!小林先生の講演会があるの、知ってた?「ブルターニュ地方の歴史と文化」講演会だってよ。あれ?、あさってじゃん!!」
「え!何にのってた?」
「切り抜いたスクラップの裏…。」
そんなわけで、知った講演会。何者も邪魔はさせじとの勢いで行ってきました。
そもそも、ブルターニュケルトのルーツは英国コーンウォールにあります。意外と思われるかもしれませんが、史実です。コーンウォールにも居られなくなったケルトの民が、再度海を越え渡ったのがブルターニュです。(ちなみに奇しくもコーンウォールの地果てる岬が、私の事務所の屋号「ランズエンド」でもあります。名付けた十四年前はケルトとコーンウォールのことなど知りもしませんでした。ただ、一番行ってみたい場所、を屋号に付けたのでした。)
大陸からローマに追われ、海を渡り、グレートブリテン島へ。そしてふたたびこぼれ落ちた先が、フランスのブルターニュ地方だったわけです。
そんなブルターニュは、その昔から、反王権の気質がありました。(多分にケルトの血がそうさせたとは、私の思い込みです。ですが、国家を作らない、組織をもたない気性ゆえに抑圧されて散っていったのが、ケルトの民でもあります。)フランスにあってフランスではない。そんなことを昔からいわれていた地方です。ゆえに暮らす人々は、アイデンティティを模索することになります。
そのアイデンティティの確立の話が今回の講演会の核でした。(二時間の話をブログでまとめるほどの文章力は持ち合わせていませんので、歴史的詳細や音楽、文化は、時々小出しにして行きたいと思います。)
今回の講演会で最も心に響いた部分を三つほどあげておきたいと思います。
一つは、人間はだれしも、根っこであるアイデンティティと、世界に向かって立った時に背負うアイデンティティ、この二つのアイデンティティが必要ではないか、ということ。(今だ理解がおよびませんが、妙にこの言葉にひっかかってる…)
二つ目は、「自分が何者であるかの発見が、未来への立脚点だ」ということ。
三つ目、ブルターニュを愛する者は、誰でもブルトン(ブルターニュ人)になりえ、大切なのは血筋でも地権でもなく、「心の権利」だ、ということ。
実は、ケルトに惹かれ考えるその先に、いつも見え隠れしていたのは、自分の育った地、日本の中の「東北」です。(いや、最近は「岩手」かもしれません…。)
かつて、大和朝廷の時代から抑圧され、いっとき、後進地域といわれてきた東北です。
学者ではないので難しいことはわかりませんが、「ブルターニュ、コーンウォール」といったケルトの地を「東北」に置き換え、「ケルト」という民族を「蝦夷」に置き換えたとき、ぼんやりしていた自分の立ち位置が、なぜかはっきりしてくるような気がするのです。
自分の根っこを探る時、ケルトというキーワードが私にとって一番理解しやすい「型」なのかもしれません。
わけもなくヨーロッパに引っ張られ、ケルトの地詣でを繰り返す私ですが、その旅はめぐりめぐって自分の立つ足下への旅、さらにはこころの内面への旅へ繋がっているような気がしてなりません。
「ブルターニュ地方の歴史と文化」講演会を聞き終わって、思ったことは、自分の根っこ探しに本腰いれなきゃなあ、、、でした。
一番遠い旅は、世界の果ての地への旅ではなく、自分の根っこへの旅のような気がしています。
今日の一枚は、。仙台の姉妹都市でもあるブルターニュの州都レンヌ市庁舎を描いた一枚。「レンヌ素描」でした。
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posted by タク at 21:00| 宮城 |
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