2016年05月08日

レヴェナントの「輝き」

映画レヴェナントを観た。
冒頭5分で映画は決まる、と勝手に思っているけど、この映画はわずか5秒で劇中にのめりこんだ。

内容は書かないけれど、自然の描写はもちろんのこと、それと人間の対比、そして編集の絶妙さに感服。
観ている途中から、気になってしょうがなかったのは、「このカットの次にはどんなカットをもってくるんだ?」ということ。
ことごとく自分のちっぽけな想像を越えたカット繋ぎの展開、あっという間の2時間半でした。

それにしても、戦いの描写はあきらかにスピルバーグが第二次大戦ノルマンディを描いた「プライベートライアン」以前と以後に分かれると思う。
この映画にももちろん戦いのシーンが描かれているのだが、長回しでここまで撮るか!?と、そのリアリティに舌を巻いた。戦闘なんてもちろん体験したことは無いけれど。生死を分ける、否、戦いが人の命を脈絡なく奪うことの空虚さが見え隠れする名シーンと思う。

忘れられないのは、ラスト近くのシークエンスで、遠くの山が陽の光に輝いていることだ。
「輝き」という言葉を、映画の中で唯一表現したカットのように思う。そこのかぶさるシーンは、、、ネタバレになるのであえて書かない。

自然を神に重ね合わせ、ていねいに描写し切ることで、対比となる人間(対比しつつ、自然と人間は一つになっていると私は感じましたが)を描きだした名作と私は思います。

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アップした水彩画は、飛騨高山取材の帰り、黄昏まであと少し、山肌に映えた太陽の輝き。サイズは100×165ミリ。小さいです。
ちなみに最初に山はだの輝き色を山並みラインを無視しつつウォシュしてから、そのあと影やブルーを描いています。

影があるから光が輝くんだ。と、影ばかり歩いている己の人生を振り返るのでした。

ネットショップギャラリーアルティオに、モンサンミシェルの水彩画をアップしました。
興味のある方は覗いてみてください。
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2016年03月13日

パリは燃えているか

映画で生き方が激変するとは思っていない。
だけど、多分に自分の嗜好、右左選ぶクセ、行動の規範みたいなものは、いままで観てきた映画に少なからず影響されているといってもいい。

育った世代的に、映画は非日常エンタティメントの代表格だった。だから、当然といえば当然なのかもしれない。ま、やたらと影響受けやすい自分の単細胞的な性格あってのことだけど。

思い返すに深く影響受けてしまったに違いない映画の一本に「パリは燃えているか?」がある。
正直、今、ほとんど内容は覚えていない。なにせこの映画を見たのは今から40年前の中1の時だ。

中学に入って吹奏楽部へ入部した私の好きな音楽ジャンルは、ビートルズでもストーンズでもなく、実は映画音楽だった。

こずかいを貯めてようやく買った一枚のLPレコードは戦争映画のサントラ集だった。
その中に一曲のワルツがあった。心惹かれて何度も聞き直した。そのワルツが使われていた映画のタイトルは「パリは燃えているか?」だった。

こんな素敵なワルツが使われている戦争映画って、どんな映画なんだろう?「パリが燃える」ってどういうことなんだ?大人は変な言葉を使うもんだな…ってライナーノーツを読んで思ったことを覚えている。

岩手の片田舎の小さな町に住んでいた私は、土曜の昼さがり、「パリは燃えているか」がテレビで放送されることを知り、部活をサボり、全力疾走でテレビの前に滑り込んだ。と言っても家のテレビではない。
家は学校から離れていた。どうがんばっても放送開始までたどり着けなかった。なぜか父が、会社を経営する友人に根回ししてくれて、私はその父の友人宅へ上がり込んだのだ。そんなお付き合いが許された古き良き時代。

ちなみにその社長と古山家は今でもお付き合いがあるという、大河ドラマ的スケール感パナビジョン。

話がそれたので戻す。
映画の内容はパリ解放のそれだった。劇中頻繁に登場したレジスタンスというキーワードは、多感な中学一年生のココロに根を張り、その後もずるずると引きずることになる。

といっても、アンチな活動に参加するわけじゃない。気がつけば社会の主流があれば、なぜか自分が立ってるのは傍流、団体に権威のカゲを見れば即離脱。「私のそばにいれば悪いようにはしないよ」なんてささやかれた暁には即刻脱退。(実際ささやかれたことがあるし、手を変え形を変え、社会の型のひとつになっている。世の中はそういうものなのだ)
こんな流れで生きてくると、堂々たる人生とは程遠い今に至るわけだ。

しかし、この先せいぜい生きたとしても中学から今までの年月分はあり得ない。だから、今まで生き延びられたということで、すでに映画の影響の元は取った、と思うことにしよう。

先日、レンタルビデオ屋でその「パリは燃えているか?」のDVDが復刻されているのを見つけた。いったんDVDを手にしたけれど、一呼吸置いて棚に戻してしまった。

一呼吸の間。
その時に駆け巡ったのは、ここまで書き連ねたことだったと思う。
さらに言えば、棚に戻したのは、今、見ることで、40年前という年月が空っぽになるのが怖かったから、なのかもしれない。

映画の舞台となったパリをはじめて訪れたのは2001年だった。イタリアからフランスブルターニュへ向かう旅の途中だった。降り立った駅はモンパルナス。
その旅以前もヨーロッパはあちこち旅していたので何度かパリを訪れるタイミングはあったのだが、「パリは別格だ。芸術に本気で取り組む人間が訪れる場所だ。チョロい自分がおとずれるには、相応しくない」と、迂回していた。本気でそう思っていたのだから、若き日の思い込みは怖いものだ。

2001年、イタリアからの夜行列車に揺られて、おそるおそるたどり着いた花の都。そこは「パリは燃えているか」のワルツが似合う「光の町」だった。

映画を観てから月日はめぐり、はじめてパリを描いた作品、それは鉛筆デッサンで逆光に浮かぶ街角を切り取ったものだった。
「パリは燃えているか?」が誘った一枚。
その絵は2001年の個展「ケルトの地へ2-トスカーナ・ブルターニュの旅」展で嫁いでしまって既にない。



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2016年02月20日

小林先生最終講義「プルーストの拡大鏡」

「よかったらいらしてください」
東北大学文学部フランス文学の小林文生教授からお誘いいただいた、最終講義。
18日に拝聴させていただきました。

はたして、わたしごときが聞きに行ってわかる内容なのか?
そんな心配は杞憂に終わりました。
もちろんわたしはフランス語はわかりませんが、次々と解き明かされる内容にドキドキしていました。学問がくれる鼓動。

内容は文学部のみならず、芸術に携わる者にこそ聞いてほしい、素晴らしい最後の授業でした。

先生にお会いしたのは、ブルターニュに旅しようと思っていた矢先の2001年。
何度か公開講座にはお邪魔していましたが、最終講義を聞かせていただくことになろうとは、思ってもいませんでした。

最後に先生が聴講生に渡した言葉は、「星の王子様」の赤いバラのフレーズでした。

本当に素敵なひと時でした。

写真は東北大学川内キャンパスからの帰り道。黄昏時にさしかかっていました。太陽も木々も何もかもが先生を祝福しているように思えました。
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2015年11月11日

福音館書店「しゅるしゅるぱん」が本日全国書店発売

福音館書店より出版の「しゅるしゅるぱん」が本日全国書店発売です。(おおぎやなぎちかさん作・挿絵古山)
1111の月命日に誕生はうれしいです。
これはまったくの偶然なのですが,主人公の名前「かいと」は私の息子と同名なのです。
挿絵はちいさいですが、物語は大きいです。
ぜひぜひ、書店の児童書コーナーでお手に取ってごらんください。

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2015年10月29日

わたしと会うための1600キロ

旅は自分にとって必須アイテムだ。

普段の仕事は机やイーゼルに向かってしこしこ水彩画やイラストを描くことだけど、旅は、技術以上に何より大切な、大いなる無駄だと思っている。


そこそこ描くことで食ってますと言える状況になると、当然画力や技法、表現力などは、そこそこになっているわけだ。

でなければ仕事は来ない。カンナかけれない大工に仕事は来ないのと一緒だ。


その段階になると技術より深いものが必要になってくるとあらためて思う。それは多分仕事以外のところで何をしているか、なのだと思う。それを口が悪い、あるいはシャイな生きる達人=成功者は「遊びが大事だ」なんて、照れ隠しで言うわけだ。


自分の場合、それは何かとなると、一人でふらつく旅だったんだな、と、あらためて思い出させてくれた映画が、表題の作品、「わたしと会うための1600キロ」だ。

この邦題、ひさびさにやってくれたね、配給会社。多分邦題決めたヒトは一人放浪旅経験者に違いない。


一人旅の何がすごいか、というと、ひたすら考え、過去と現在、そして未来と対話している、ということだ。思索の連続なわけだ。仕事と日銭稼ぎに追われる日常においては、少なくとも私はそんな旅の精神活動ができたためしがない。


何が自分にとって大切で、どんなことが嫌なのか、どこまでも突きつけられるのが一人旅だ。迷ったり雨に濡れそぼったり、宿が見つからずに焦ったり、疲れてレストランのドアを押す気力も失せ、テイクアゥエイのカウンターで出来上がりをぼーっと待っていたり。そんな中で頭に浮かぶ思考、思いこそが旅の収穫なのだ。


映画はまさに、旅慣れていない一人の女性が荒野を彷徨うという、一人旅エッセンス高濃度な状況が延々と続く。差し挟まれるのは過去の出来事とモノローグだ。どこまでも自分との対話が続く。


描くことに戻るけれど、結局表現できることなんて、たかが知れてる。自分が考えている以上のものは表出できないんだな、きっと。絵は文章とは違い、ウソが下手だ。なおさら自分が隠せない。筆のタッチの奥ににうっすらとあるマチエールは、あくまで自分の経験の範囲で得た何かでしかない。おそるべしは「思索」なんだ。


映画を見終わって、今までの旅の中での自分モノローグを思い出し、気恥ずかしくもなり、あれこれつらつら自分とおしゃべりしてしまう映画でした。傑作四つ星です。

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2013年08月10日

幸せの教室

トムハンクス監督主演の「幸せの教室(原題・Larry Crowne)をDVDレンタルで観ました。
途中から、隣のソファでゲームいじってた娘も引っぱりこまれたようで、「これ、いい!」

失業した中年男が主人公で、再就職を計るために大学へ。そこで出会った教師が教師捨てたくなってるジュリアロバーツ扮する女性、と、ほんわかのロマンティックコメディ。

フリーランスって、いいかえればプチ失業状態のゆるやか〜〜な連続なわけで、仕事に就くために動き回るシチュエーションは、たとえば一ヶ月も電話が鳴らない時の焦りにも似て、深くうなずく点が多いわけ。冒頭からうんうん、わかるわかる、たいへんだよね〜〜と、妙に同情モード。

後半の盛り上がりもいやみなく、最後は、娘と「よかったね〜」と、拍手してました。

トムハンクス、初めて見た映画は何だったか記憶にないけど(スプラッシュ?マネキン?だったかな?)
一生懸命不器用に進む男を演じさせたら、一級品だとも思ったのでありました。

なんかいいことありそうだ!

↓音が出ますのでご注意を♩
http://disney-studio.jp/movies/shiawase/
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2013年06月20日

久しぶりの感動巨編「スワン・ソング」

私のよく覗いているブログに「ヌマンタの書斎」があります。
ヌマンタさんの書評が、私のツボに合うせいか、いままで何冊かブログを読んで、本をゲットしています。
先日読了した本で、いまだに余韻が引いているのが、「スワン・ソング」(ロバート・R・マキャモン)。
モダンホラーというジャンルに入るようですが、そんなジャンルなんてどうでもよくなるほど、いい時間をもらえました。ヌマンタさん、ありがとう〜〜。ちなみに結構古い本ではあります。

よく、寝不足になる本、ってありますが、「スワンソング」は見事にそれでした。
核戦争後生き残った人々が物語を構成しますが、その舞台となる場面描写はもとより、登場人物のデッサンが、丁寧で、ごつい。展開が、絶妙。そして場面描写が、まるで映画を見ているようでした。
なんといっても、この物語には、殺伐とした世界を描いている中に、しっかりととことん「愛」がある。
読後、「ああ、物語、おわっちゃったよ、、、、」と、切なくなるほど愛しい一冊でした。

残念ながら「スワンソング」は今は絶版です。わたしも古本で手に入れました。
日常から離脱したくなったらおすすめの一冊です。(と、書評みたいにかっこつけたけど、本屋さんにない。。。泣)

ちなみに、読み終わって、奥付に目をやったら、初版の日付が、私の誕生日。
タンサイボーなわたしは、「この本は、私のために書かれたのだ」と、ますますおもったのでありました。

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2013年05月07日

超音速漂流

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「超音速漂流」
ブログで知り合ったヌマンタさんのところで知った本ですが、これ、ページくくる手がとまらない。
決して新しい本ではないけど、いや、面白い。
まだ途中だけど、早く読み終わりたいよ。

GWあけの今日は午前中、アトリエ教室。先月は岡山出張でできなかったので、久しぶりの感じ。
受講生の二人が、東京の旅行代理店主催の海外スケッチツアーに参加し、その代理店主催の作品展に出品とのことで、その絵の指導をしたのだけど、いいなあ、スケッチツアー。
2年前にカルチャー閉じてから、震災挟み、とんとごぶさたです。
しかし、作品展までフォローするあたりが、さすが専門業者ですね。感心しました。

それはさておき、近場でいいから、はれた空の下久しぶりに一緒にスケッチは、どう??と、生徒さん達に声がけしたら、速攻、オッケーの返事が。
6月、個展の仕込みをかねて福島の二本松へゴー!です。
「温泉手配はまかせて!」と、一人の生徒さんが挙手してくださいました〜。
多謝!
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2013年01月05日

「レ・ミゼラブル」

ついに映画館でいつでも1000円で(!)観られる時がきてしまった。(カミサンが一緒の時限定だけれど)
初『夫婦50割引』、満を持してのの作品は、昨日観た「レ・ミゼラブル」でした。
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語る言葉をなくした。
頬が涙でぬれた。
席がたてなかった。
善人になった。おっと…これは錯覚だ。

スタッフキャスト、製作陣のすさまじい気合いを感じました。
久しぶりにパンフレットも買おうと思ったのですが、残念ながら売り切れでした。
記念すべき「marriage50」♩
いい映画を見ました。

しかし、二人で映画2000円は、最高〜〜♫
来月は何を観ようかね〜、とはやくもふたりで思案中。夫婦やっててよかった(笑)。

posted by タク at 10:43| 宮城 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画・文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月23日

活字読みたい

最近、とみに読書の時間が増えている。
といっても、空き時間使ってちょこちょこなんだけど、昨日も二冊ゲット。
絵を描きながら、無性に本が読みたくてしかたないかんじ。

中三になる息子が読書の面白さに目覚めて一年ほど。彼と話をしていると、こっちの読書熱もじわじわと再燃しつつある。
ちなみに、息子が最近ハマったのは、スチーブンソンの「宝島」
それを読み終わったかと思えば、こんどはスタインベックの「はつかねずみと人間」に感動し、次なるスタインベック作品を我が家の本棚から引っ張り出している模様。十代前半で文学のすばらしさを体感している彼を見ていると、ちょっと頼もしくなる。

で、今回購入した本は
麻生幾「前へ!」と宮崎学「「正義を叫ぶ者こそ疑え」。

「前へ!」は福島の原発事故と震災最前線のルポ。
自衛隊員、東北道路整備局、警察、レスキューといった、震災と戦ったひとたちの話だ。
「正義〜、」は、タイトルを見て「ま〜ったくその通り!」と、題名で購入(笑)


本日、祝日で静かな一日、明日納期の仕事もめどがついた。

あとはワインでも飲みながら、本でも読もう。














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2011年11月10日

「パシフィック」

先日、DVDシリーズ「パシフィック」を全巻ようやく見終わった。
5巻ほどだったけど、かかった時間は二ヶ月ほど。
私がレッキとした「日本人である」ということをさしひいても、観てよかったテレビシリーズでした。ちなみに太平洋戦争を、あくまで「アメリカ側から捉えた」戦争モノ。(ここで、あらためて硫黄島を日米両方向から描いたクリントイーストウッドの偉大さに感服するのです)

毎回繰り返されるオープニングロールは、言葉にできないほど映像的に素晴らしい、と、私は思う。
砕け散るコンテを素材にするなんざ、描く事で食ってる自分の深いとこにグサグサ。10エピソード、オープニングを観る度にカラダが固まってた。着弾で吹き飛ぶ飛沫にオーバーラップするコンテの超アップの砕けちる粉末が、いやがおうにも目を釘付け。
オープニングのラストカットなんて、水墨画的、いいかえれば東洋的間合いの美しさを、オープニング制作者は考えたのではないか?と勘ぐるほどでした。

見終わって、小学生のときに買っていた、「太平洋戦争写真集=毎日新聞刊」(オイオイ…汗)を久しぶりに本棚から引っ張り出して、ページをめくってました。
黄ばんだ紙に印刷された太平洋戦線の報道写真が、テレビシリーズという「虚構」ではあれ映像的に「動いた」のが「パシフィック」だったんだ、と、あらためて納得。
戦場で精神が崩れかけ、必死に人間であろうとする描写など、兵士の内面を描いていた部分も大きなテーマでした。

昭和37年生まれの自分はれっきとした戦後育ちだけど、子ども時代、思い返せば、傷痍軍人が路上で頭を下げていたり、書店には児童書スタイル戦記物がならんでたり(さんざん買いあさったっけ。でも、当時は長島茂雄に憧れるダンシが居る一方、戦記物に傾倒するダンシも典型の一つだったとおもうなあ)少しではあるけど太平洋戦争の残滓があちこちに残ってたことを思い出した。

以前、「バンドオブブラザーズ」なるヨーロッパ戦線を描いた連作もみたけれど、そのとき、「ドイツ人が見たらどう思うのだろう」と思ってました。だけど、パシフィックはそれとは根本的に異なっていたとおもう。
そう、「黄色人種と白色人種」という決定的な「人種」と「文化」の違い。
そんなこともあわせて、深く考えさせられたテレビシリーズでした。

映画音楽の名手、ハンス・ツィマーの音楽がいまだに耳から離れません。



posted by タク at 21:41| 宮城 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月08日

9

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映画「9」を観た。(DVDレンタルで、ね)
すごかった。ストーリーも、キャラクター造形も、カット割りも、なにもかも。

不思議な事に、なぜだか、大好きな画家シスレーのことが思い出されて、しょうがなかった。
CG作品で、なぜに印象派のシスレー???
多分に画面の構成のすごさが、どこか脳内でシスレーの「パーフェクトな心地よい構図」を呼び覚ましたのかもしれない。

ここ一年見た映画の中で(といってもそんな観ていないけどね)、もっとも印象に残る映画となったのはまちがいないです。
こりゃDVDゲットして本棚に一本です。

いまだに思い出すと興奮してしまう、そんな「9」でした。
劇場で観たかったなあ。



posted by タク at 15:50| 宮城 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月18日

ギターの合間に

高校受験をひかえつつある、でもギター三昧の息子が読書にはまってる。
「最近、ずいぶん本を読んでるなあ」というと、
「ギター練習して、指痛くなるとさあ、何もする事無いんだよね。で、読書。」
ここで、「んだとぉ!んじゃ勉強せい!」といったところで親子ゲンカになるのは見え見え。
「ほう」と捨て置いた。

そういやこないだは、私の蔵書のレイブラッドベリをよんでいたなあ、
で、今、持ち歩いてるのはなんなんだろ、と、聞くと、


ドストエフスキィ、、、。


父、未読…こいつあ、負けたぜ、、、。
まあ、うれしい負けかな(笑)


閑話休題
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今日、JR東日本発行「トランヴェール誌」のレギュラーページの下絵を描いて、東京の代理店に送った。
進めてる絵は青森のとある風景。
掲載はたしか、二ヶ月後、かな?

実は、「トランヴェール誌」でオクライリが一枚あるのです。
忘れもしない3月11日、絵のデータを送った2時間後に大地震、ご存知の通り東北新幹線は途絶。紙面も急遽大幅変更。
そりゃそうです、走ってない東北新幹線の記事は載せられない…。
そんなわけでのマボロシの作品、青森大湊線風景。

ここでみてもらっても怒られはしないだろうから,アップします。

青森から元気がおりてくることを祈って!
たのむぜ、アオモリ!!

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2011年01月29日

「最高齢プロフェッショナルの教え」

新しい本を買いました。
「最高齢プロフェッショナルの教え」(徳間書店取材班)。
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いろいろな業界で現役で働く最高齢者に、人生の岐路、仕事の流儀をインタビューした本です。

51歳のJRA騎手から、103歳の声楽家まで、15人の仕事師が登場。
仕事の内容は、漫画家、ギター職人、ライフセーバー、バーテンダー、喫茶店店主、杜氏…と様々です。

人の人生を垣間みる楽しさってありますよね。そんな面白さも手伝ってか、あっという間に読了しました。


その方々が、「今の自分があるのは、◯◯をしたからだ」と、皆、おなじような内容のことを口にしていました。


◯◯を明かしてしまうと、あたりまえに聞く言葉ばかりで、なあんだ、と言われてしまうかもしれません。
でも、、、動乱の戦中戦後を生き抜いてきた15人が語る言葉には、なあんだ、とはならないずしっとくる重みがありました。

歴史は繰り返します。
人もまた歴史。
50代目前にまだまだあたふたしてる私にとってさえ、教えがいっぱい詰まってました。


ああ、この本、10代20代に出会いたかったなあ…。





posted by タク at 09:43| 宮城 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画・文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月03日

読書三昧♪

正月休み最終日。
今日は読書の日。

仕事の絡みで正岡子規本をじっくりのんびり。

明日からはビジネスモード+年度末モード+個展モードに入るので、じっくり読書とは、なかなか…。

丸一日、あっちを読んでこっちのページめくって♪
嗚呼、しあわせナリ。
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2010年12月25日

サンキューベリーマッチ♪

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昨晩のこと。
我が家恒例のクリスマスのイベントがあります。
映画「クリスマスキャロル-SCROOGE」を皆で観ること。

昨晩、仕事をかたづけ、夜七時過ぎ、
「夕ご飯だよ〜!」の声に「今宵も映画クリスマスキャロル〜♪」と、心中ウキウキ階下におりると、
息子(中2)がアコースティックギターかき鳴らし、歌いまくりでなんだか慌ただしい。

息子「今夜のテレビにさ、齋藤和義がでるんだ♪絶対に、観る!!」
妻「マイケルのTHIS IS IT」も今日だよ!録画!ビデオビデオ!」

私「……(ついにクリスマスキャロルを観ない年がきちゃったか…しくしく)」

チキンをたいらげ、齋藤和義登場を見終わると、息子が
「で、今年、クリスマスキャロル、観ないの?」

娘(高2)がクールに
「そうだよ、今日は観る日だよ。いつになったら観るのかとおもってた」


じわーんとうれしくなり、そうこなくちゃ!とDVDをセット!!


あえて今年も書かせていただきます。
やっぱり「クリスマスキャロル-SCROOGE」は大傑作です。
サンキューベリーマッチの歌に、じ〜ん。

クライマックスのスクルージ改心から、合唱大群舞のたたみかけに、涙こらえるの、実は必死。

はじめて見たのは16歳くらいのことでした。
NHKで恒例で何年かクリスマス放映していました。

あれから毎年(途中、放送がなくなりあいちゃった数年があるけれど)見続けて、ウン十年。
ソフトもビデオからDVDになりました。

一緒にじーんとしてくれる家族にもサンキューベリーマッチ!!!のイブでした。



冒頭の絵は、以前シエナを訪れたときに教会尖塔を護っていた聖人像をクロッキーした中の一枚です。


大忙しのサンタ、いまは、このへんらしい。がんばれ!



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2010年05月07日

「私のかぐや姫」

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挿絵をてがけた本が出版されました。
「私のかぐや姫」小野祐子著/無明舎出版(¥1260)

本が手元に届きましたので、ご紹介です。

明日は、午後から出版記念パーティ。
集まる方々のほとんどが、小野祐子さんがアナウンサーをしていたことから、東北◯送関係者。参加者は170名ほどにのぼります。

20代、私が食えなかった頃、助けていただいた会社が実は、東◯映画社という東北◯送系の会社です。
あのときが無かったら、この本に関わることはなかったのではないか、とさえ、思います。
いい会になりそうです。

一般書店にて取り扱いますので、興味ある方、ぜひごらんください。

posted by タク at 22:34| 宮城 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月27日

プライベートライアンふたたび

アニメむすび丸のホームページが更新、キャスト紹介ページスタッフ紹介ページ、ができました。
私のツブヤキ?も載っておりますので、時間ある方は、のぞいてみてください。

ちなみに、むすび丸のタイトルロゴは、不肖美術担当私め作でございます。
あああ、なんというか、はだかで公衆の面前に立ってる気分だ、、、。

スタッフ紹介は、演出、作監、美術、音楽、音響の紹介にとどまっておりますが、もちろん、その数十倍、数百倍の方々のツナガリがあって作られているんですよね。
そう考えると、道ですれ違った他人様にも、本気で頭がさがってしまいます…。

よかったらのぞいてみてください。
あ、音楽流れますので、お仕事中の方はご注意を!


話変わって、昨晩、久しぶりに映画「プライベートライアン」を観た。ノルマンディ上陸作戦が舞台の戦争映画です。
DVDのコレクターズエディションを持っているほど、たぶん、マイベストワンの映画です。何度観ても、ラストにはこころをわしづかみされる。

観たことがある方は大方、いいね!という方か、あ〜、あれね、と、眉をひそめる方に二分されます。まあ、わかります。

実は、私にとっては、精神スイッチ起爆確実!の映画。といっても、ドンパチで起爆するのではないですよ。修羅場を畳み掛けられたすえ、ラストに主人公がライアン二等兵に向かってつぶやくセリフに、起爆するのです。
昨晩遅くから観はじめ、終わった頃には家族はみんな夢の中。
ひとりで、「ミラー大尉、明日からまた、私もシッカリ生きます」なんて鏡に向かってつぶやいていました。




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2010年01月09日

平谷美樹氏講演会+黄色いライスカレー上映会

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ちょっとタノシミな講演会=オフ会と、映画上映会のお誘いです。

話すは河北新報朝刊に「沙棗」連載中の小説家、平谷美樹氏。
講演会と同じ会場で上映される映画は、『黄色いライスカレー』。
盛岡の友人達がたちあげた「オトナ映画部」第一回作品です。

映画部、といっても、原作・シナリオは小説家の平谷美樹氏、撮影監督はプロの映像カメラマン益元氏が担当、監督を六花舎主催の高橋政彦氏と、気合い十分の布陣。
岩手では連日のようにテレビラジオで取り上げられ、一大ムーブメントを巻き起こしています。
映画の公式サイトはこちら。
http://memeplex.net/otona/index.html

以下、河北ふらっとの案内を載せますので、お、これは面白そう!という方はぜひお誘い合わせの上、オフ会にご参加ください。
モチロン、私も会場に行きます。

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「沙棗」コミュ第4回オフ会 2月6日に開催 河北新報朝刊の連載小説「沙棗(さそう) 義経になった男」と連携したふらっとのコミュニティー「沙棗 義経・平泉〜平谷美樹さんと語ろう」のオフ会を2月6日午後1時から、河北新報社1階ホールで行います。連載小説の読者の集いも兼ねます。

 内容は、「奥州合戦の謎」と題した作者の平谷美樹さん(岩手県金ヶ崎町在住)の講演と、平谷さん原作・脚本の映画「黄色いライスカレー」の上映です。ぜひご参加ください。

 オフ会の内容や参加の申し込み方法はこちらのページをお読みください。

http://flat.kahoku.co.jp/sub/event/commu_sasoh/off_kai-movie.htm
(ふらっと編集室)
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posted by タク at 19:34| 宮城 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月28日

「北壁の死闘」

パソコンを立ち上げると、宮城県が主導で制作する「アニメむすび丸」予告編の絵コンテが届いていました。
背景数46カット分を仕上げる予定。
その中で数カット、年明け早々の仕上げのオーダーが入りました。
年明け早々から、早めのシフトチェンジでトップにギアを入れる必要がありそうです。

そして、今年最後(たぶん)の仕事依頼メールが着信。
足利事件再審の第5回公判の法廷画依頼でした。
場所は宇都宮地方裁判所。
1月半ば、宇都宮へ出張が決定です。
その日は妻の誕生日。新幹線の中で気持ちのスイッチ切り替えです。


閑話休題
昨晩一冊の本を読了。
「北壁の死闘」ボブ・ラングレー著(創元推理文庫)ですが、実は再読。
二十年近く前に読んで、こいつあおもしろい!と思った本です。
ひさびさに本棚から引っ張り出して読み直しました。

舞台は第二次世界大戦ヨーロッパ戦線、スイスのアイガー北壁。
ドイツ軍山岳部隊兵士が主人公という異色の(ドイツ軍兵士が主人公ってあまりないんですよね)山岳冒険小説ですが、ぐいぐいひっぱられます。
極寒のアイガー北壁登攀の迫力ある筆致。
任務遂行のため、最低限の装備でぼろぼろになりながら頂上をめざす独軍特殊部隊。
追うはアメリカ軍コマンド部隊。

今、二十年ぶりに読み直しても、拍手喝采の名著だと感じ入りました。
読み終わったのは深夜。
余韻があまりによくって、眠れませんでした。



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posted by タク at 10:40| 宮城 ☔| Comment(4) | TrackBack(0) | 映画・文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする